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入院患者が10ヶ所も骨折
自然治癒するまで気づかなかった異常さ

2011.9.10掲載

院内暴力の可能性も

 新潟県立精神医療センター(長岡市寿・和知学院長)で、男性(30代)の入院患者が原因不
明の骨折をしていることが判明した。
骨折は右肋骨が5本、左肋骨が4本あり、さらに他の部位にも骨折がある。院内暴力の可能
性も否定しきれないため、長岡警察署に連絡、同署で捜査を続けている。
 同医療センターは9月2日、和知学院長他3名が院内で記者会見を行い事態の詳細を公表
した。

男性看護士3名に殴られたと訴え

同院によれば男性患者は平成13年に入院。約10年経過する。本年7月25日、「お腹が痛い」と
の訴えがあったことから、診察をしたところ、当該骨折などの症状が判明したもの。ただ、発見
時よりもかなり前の古い骨折のため、ほぼ自然治癒に近い状態になっている。このため現在
では骨折の治療は不要の状態。
同患者は、最近では個室中心の治療体制であったことから、外部での骨折は考えられない。
骨折などの原因を問診したところ、殴られたとして看護士3名(いずれも男性)の名前が出た。
この内1名はすでに担当を代わっており、同患者との接点は無くなっている。このため、患者の
言葉をそのまま鵜呑みにも出来ず、信憑性の判断を含めて警察の捜査に任せている。
同センターは、精神医療の病院であるため、「入院患者を拘束衣で拘束することもある。その
ようななかで偶然に生じた可能性もある」としている。

入院患者の病変に気づかないのは異常事態

同院では今回の異常事態の「原因は判然としない」としている。原因が曖昧なばかりではなく、
10ヶ所もの骨折が生じていながら、自然治癒するまで、看護士も主治医も気づいていない。骨
折から発見までどのくらいの時間が経過したかも分からない。
骨折が医師の治療を受けないまま、自然治癒するにはかなりの時間が必要であろう。まさか1
日ではないであろう。そのような長い期間、入院患者の異常事態に気づかない。このような医
療体制こそが、異常事態である。
同センターの医療体制は患者を放置しているかにみえてしまうが、この点についても明確な説
明は無い。
同センターは、「患者さんの尊厳に敬意を払い、プライバシーの保護に最大限の配慮をします」
としている。「プライバシーの保護」が「放置」にならないよう、真相を追求し、今後の入院患者
の安全のために適切な措置が必要になっている。

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@第1回目の骨折10ヶ所以上事件発覚時の記事:2011.9.10掲載
A2011年に発生した暴力事件についての投書(2012.9.25掲載を2015.9.10再掲載
B第三者委員会設置:県医療センター2011.12.27掲載
C第三者調査委員会が報告書を公表(その1)2012.4.7掲載
D第三者調査委員会が報告書を公表(その2)2014.4.10掲載
E丸山新院長に聞く:2012.9.25
F新潟県立精神医療センターの暴力(2015.9.10報道)
GNo.130:新潟県立精神医療センターで暴力再発(2015.9.15)

 
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第三者委員会設置:県医療センター
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