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精神医療センターの投書
暴力再発に伴い再掲

2015.9.10報道2012.9.25掲載を2015.9.10再掲載)


2011年9月に発覚した新潟県立精神医療センターの暴力事件は発覚まで相当の長期間経
過していたようである。このため当該患者への暴力は長期にわたり継続したのであろう。骨折
も自然治癒の個所が多かった。
県では相応の対策を講じたのであるが、事件発覚後1年経過した2012年9月、匿名の投書
があり、さらなる改善を訴えていた。
編集部では今回の再度の暴力事件発生を受けて、当該投書を掲載する。関係各位が投書の
趣旨を理解され、再度の暴力事件が発生しないよう切に願うものです。

2011年の暴力事件にかかる読者からの投書

精神医療センターの看護師による患者虐待事件から1年経ちましたが、いまだに原因が解明
されていません。先日ようやく被疑者不詳で警察へ告発されましたが、遅すぎます。「不詳」と
言っていますが、院内では誰が虐待していたのかは周知の事実です。虐待された患者が実名
をあげて訴えていますし、職員の目撃情報もあるのです。しかし、その看護師たちが否定して
いるのです。そして今も大手をふって何食わぬ顔で出てきているのです。

虐待の舞台となったのは閉鎖病棟であるA3病棟ですが、ここに勤務する看護師は24名です。
第3者委員会の報告書によると8名の看護師が骨折した患者に暴行した疑いがあるとされて
います。患者は閉鎖病棟にいるので、ほかの病棟の看護師が暴行することは考えられませ
ん。すべてA3病棟の看護師です。つまり実に3分の1の看護師が虐待していたのです。これは
「一部の」看護師がしたというレベルではありません。組織的といってもよいでしょう。これだけ
の割合の看護師が暴行しているのですから残りの3分の2も当然気づいています。しかし、報
告書にあるように「出る杭は打たれる」ので見て見ぬふりして黙っていたのです。事件が明るみ
に出なければ永久に口をつぐんでいたでしょう。

大津のいじめ事件で自殺した生徒の同級生が事件後のアンケートで「見て見ぬふりをしていた
のはいじめと同じだった」と回答していたと新聞記事で読みましたがA3病棟で見て見ぬふりを
していたのも虐待したのと同じだと思います。まして、中学生と違い看護師はお金をもらって患
者の看護をするプロなのです。いくら精神科の患者だからといって虐待していいというわけはな
いし、それを黙って見ていていいわけがない。

A3病棟の虐待疑惑のある看護師のうち1名は自殺しました。遺書には関与を認めていたそう
です。自殺した看護師1名に罪をかぶせて後は知らん顔をしている他の7名の看護師のモラル
はどうなっているのか。同じ職場の同僚が罪に苦しみ自ら命を絶ったのに自分たちの罪は認
めず、患者へも謝罪せず、良心の呵責はないのでしょうか。報告書にあるように患者は22年の
8月から毎月のように暴行を訴えていたが、A3病棟ではとりあいませんでした。

このようなA3病棟の異常性はほかにもあり、入院患者の郵便は制限してはいけないのに閉鎖
病棟の入院患者が出そうとした手紙を出させなかったりしたこともありました。
過去には入院患者を平手打ちしたり、雑巾がけなどの雑務を強要したり、看護師の肩をもま
せたりしてることもあります。そして事件発覚後も過去の患者への虐待をまるで武勇伝のよう
に得意に語る看護師も大勢います。まるで反省がないのです。大体が看護への熱意がないの
です。精神科の看護に意欲を燃やして精神医療センターに来たのではなく、県立病院中でも勤
務が楽という定評があるので希望して来るのです。一般病院のように手術もなく、身体疾患で
容態が急変することも少ない。注射を打つことも少ないので看護技術が未熟な者が多いので
す。極端にいえば、できるだけ楽をして過ごしたい、面倒を起こしそうな患者は時々痛めつけて
こちらの言うことをきかせて大人しくさせておけば、仮に何か訴えてきても精神科の患者など
「頭がおかしいから」と誰も相手にしないから大丈夫と思っているのです。悲しいですがこれが
現実です。看護師同士の飲み会では患者のことを話の肴にして皆で笑い者にしています。
 
問題はほかの病棟にもあります。未成年者が入院する児童病棟では看護師がろくに見回りも
しないので入院している男子と女子がしばしば自由に互いの病室を行き来しており「時々セッ
クスしてるんだよな〜。親には絶対言えないけど」と看護師と医者が笑いながら話しているので
す。管理のずさんさもひどいですがこのような出来事に対する反応も医療関係者として、児童
の医療・福祉関係者として信じられません。モラルが低下しています。

 外来患者に対しても、看護師は診察室には入らず医師の診察を手伝いません。患者の呼び
出しもせずただその辺にボケッと立っているだけです。

 病院全体の体質にも問題があります。たとえば経理担当者の出入業者に対する態度がもの
すごく悪く大声で怒鳴ったり無視したり、立場が上なのをいいことにすごく横柄な態度をとって
いるそうです。

 昨年はデイケアでも問題を起こしました。法律では6時間ケアしなければならないのに、職員
が勝手に5時間に短縮してしまい、十分なケアを受けられませんでした。あとで患者と家族にお
わびの説明がありましたが、国や県に処分を受けたらしく、半月くらい閉鎖されていました。そ
の間患者が楽しみにしていたデイケアの文化祭も一方的に中止にさせられてしまいました。

 くりかえしになりますが、現在のこの病院のスタッフのままではだめです。
研修をするとかいっても人間は簡単に変わりません。
閉鎖病棟の長期入院患者は帰る家もないのです。どこかでいじめられても、帰れば暖かく迎え
てくれる別の場所があるわけではない。病院で虐待されてもその病院しか居場所がないので
す。唯一の居場所が、暴行を続ける看護師と見て見ぬふりをする看護師しかいない場所だとし
たらその絶望感はどれほどかと思います。心の安まる暇もないでしょう。患者にとっても、看護
師の顔ぶれがかわって一新することが安心につながるのです。一新するといっても解雇するわ
けではありません。そんなことは公務員なので身分が守られておりできません。ただ、ほかの
病院に異動すればいいのです。新潟県は県立病院が15もあるのですから異動先はたくさんあ
ります。

この病院は職員労働組合がきわだって強く、これまでは異動を拒否してきて、その結果、何十
年も同じ職員が居続けて暴行や虐待を繰り返す温床となる職場風土が生まれたのです。

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@第1回目の骨折10ヶ所以上事件発覚時の記事:2011.9.10掲載
A2011年に発生した暴力事件についての投書(2012.9.25掲載を2015.9.10再掲載
B第三者委員会設置:県医療センター2011.12.27掲載
C第三者調査委員会が報告書を公表(その1)2012.4.7掲載
D第三者調査委員会が報告書を公表(その2)2014.4.10掲載
E丸山新院長に聞く:2012.9.25
F新潟県立精神医療センターの暴力(2015.9.10報道)
GNo.130:新潟県立精神医療センターで暴力再発(2015.9.15)


 
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