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悠久録(過去の悠久録はこちら)
長岡新聞・悠久録No.1150:井上井月

栃倉酒造梶i大積1)は創業100年を超える老舗である。銘酒『米百俵』は定評があり、『越の
井月』も味わい深い。井月(せいげつ)とは俳人井上井月のこと。書に練達し、俳句も素晴らし
かった。種田山頭火に影響を与え、芥川龍之介はその書を「入神と称するも妨げない」と絶賛
した▼1822年の生まれというが判然としない。親は長岡藩の下級武士だったようだ。生計の
ために刀の研ぎ師をしていたとも。18歳で故郷を離れて各地を放浪、乞食同然の姿で伊那谷
(長野県伊那市)に現れた。何故か土地の人びとに受け入れられた。教養があり立派な字を書
くことから、高い身分の武士、もしかして牧野の殿様のご落胤か、と伊那では噂されていたとも
伝わっている▼「千両千両」が口癖で お礼、賞賛、お祝い、こんにちは、さようなら等あらゆる
場面で口にした。伊那谷を中心に活躍し、放浪と漂泊を主題にした俳句を詠み続けた。現在
約800句が確認されている。伊那市では毎年「信州伊那井月俳句大会」を開催、同大会を中
心行事に据えて、「千両千両 井月さんまつり」を開催している。今年は8月31日の前夜祭から
9月2日までという。伊那市では長岡からの参加を期待している▼俳句や書で多くの文人をう
ならせた井月であるが、困窮のうちに死ぬ。映画『ほかいびと‐伊那の井月‐』の監督北村皆雄
は「人は亡くなる時、魂は故郷に帰っていく」として、エンディングに雪中で踊る場面をもってき
た▼長岡の先人が異郷で大切にされていることに、感動を覚える。(とけいそう)





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