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知事への提出文書に対応を要請
5市長が市長会・森会長に訴え

(2016.7.2掲載)
 
知事への提出文書に対応を要請
近日中に臨時会開催を決定

泉田裕彦知事の県政運営に対し県市長会(会長=森民夫長岡市長)と県町村会(会長=渡辺
広吉聖籠町長)は5月、問題点を列挙した文書『平成28年5月27日付で新潟県知事へ
提出した県市長会長、同町村会長連名の文書』を提出した。
しかし、同文書に対しての泉田知事反応は県議会や記者会見などでの発言があるだけで、明
確な回答がないまま時間が経過している。こうした状況を受け6月28日、県市長会副会長の篠
田昭新潟市長ら有志5人がアオーレ長岡を訪れ、こう着した現状を解決するための対応など
を森会長に要請した。森会長は「近日中に臨時会を開き対応を話し合うことにした」と述べた。

泉田県政への問題点をまとめ5月に提出

 同文書は、10月の県知事選で4選を目指す泉田知事の後援会から推薦依頼を受けた両会
が、これまでの県政を検証した結果を取りまとめたもの。「知事の対応を確認のうえ、(推薦に
ついては)議論する」としていた。添付資料を含めA4判11枚で、「市町村との役割分担」や「国
や他の機関との関係」など7項目26点にわたって泉田県政の問題点について列挙している。
 問題点として、東日本大震災での震災がれきの処理についての一連の発言や北陸新幹線
の建設負担金の一時拒否、県の医療・福祉法定4計画の未策定問題についてなどをあげてい
る。実例としては、子ども医療費の補助対象を中学生まで拡大するようにとの要望に対して、
市町村と協議せず多子世帯に限って高校生まで拡大対象としたことをあげ、「要望とかけ離れ
た制度拡充をたびたび予算案に計上するなど、市町村に大きな混乱を生じさせた」などと批判
した。
 両会は同文書を5月27日に知事に提出し、30日に報道機関に発表した。泉田知事は定例記
者会見などで、同文書について「不在の最中に持ってこられた。指摘内容については直接、話
した方がいいとも思う。(その後の個別の連絡から)会の総意という認識は持っていない」など
と述べている。

こう着状態の解消へ向けて5市長が要請

 文書の提出から1カ月が経過し、こう着状態が続くことから「(現状を)どうにかしてほしい」と
の市長らの声が出ている。このため、県市長会副会長の篠田市長と入村明妙高市長が今後
の対応についての要請を森市長に行うことにした。
 この日は、篠田市長、入村市長、久住時男見附市長、国定勇人三条市長、井口一郎南魚沼
市長の5人が、有志市長として森市長を訪問した。篠田市長が代表して「知事選への推薦など
の話を前に進めるためにも、質問への回答を(泉田知事から)どうすればいただけるのか市長
会として検討してほしい」と要請した。
 要請の後、森市長は「市長会で臨時会をできるだけ早い時期に開き、対応を協議するという
ことが決まった。このまま知事とすれ違いが続くのはよくはない。冷静にコミュニケーションをと
るのが、新潟県のためではないか」とし、会の総意ではないとの意見に対しては「内容などにつ
いては、各市長とやりとりをして全員の意見を聞いている。皆の意見を聞いて、総意として内容
を決めたと認識している」とした。
 今後の対応については「臨時会で意見を聞いて決める。文書での回答を求めるとか、推薦を
するしないとかは、何も決まっていない。ただ、いきなり知事と意見交換をするよりは、内容を
整理してからやるべきではないかと思っている」と強調した。

加茂市長は否定

加茂市の小池清彦市長は、泉田知事を擁護する『客観的見地から泉田知事を評価する談話』
(6月28日付)を発表。「客観的に泉田知事さんを評価する」として、「市町村長の総意でないと
する泉田知事の言葉に間違いはない」としている。同談話は長文の内容で、市長会の指摘事
項についても泉田知事を擁護。最後に、「以上にかんがみれば、これまでの泉田県政に泉田
知事の四選を否定するような失政は、ありません。泉田知事さんは、四選されてよい実績を挙
げてこられたと考えます」と、泉田県政を評価している。
森市長は市長会会長として難しいかじ取りをすることになった。



平成28年5月27日付で新潟県知事へ提出した県市長会長、
同町村会長連名の文書

 「泉田県政3期12年間に生じた問題」の検証について(本文要旨)
泉田知事は、本年2月の県議会で四選への出馬を表明し、さらに、このたび市長会及び町村
会に対して、泉田知事の後援会から推薦願が出されたところである。
この推薦願の取り扱いにあたって、市長会及び町村会は、これまでの知事の対応が我々自治
体や新潟県民にとって、どのような影響と結果をもたらしたのか検証を行い、「泉田県政3期12
年間に生じた問題」としてまとめた。
知事がこのままの政治姿勢を続けるならば、さらに県政が混乱し新潟県が他県から取り残さ
れ、県民の生活に大きな影響が出ると危惧している。知事がこれまでに行った指示や対応な
どにより問題となった姿勢を問うものである。

添付資料
泉田県政3期12年間に生じた問題

1知事と市町村との役割分担に関する問題
高齢者福祉、子育て支援、まちづくり、教育などは、現場を預かる市町村の判断が重要であ
り、県は広域的な視点から、現場に即した市町村施策を支援・補強する立場を重視すべきで
ある。
高齢者福祉、子育て支援、まちづくり、教育などは、現場を預かる市町村の判断が重要であ
り、県は広域的な視点から、現場に即した市町村施策を支援・補強する立場を重視すべきで
ある。
しかし、残念ながら知事が行った指示により、市町村との関係の中でいくつかの問題が生じて
しまった。
以下にその具体例を挙げる。
(1) 子ども医療費・子育て支援にかかる県の姿勢について
(2) 震災がれきの処理について
(3) 市街地再開発事業に対する補助制度の打ち切りについて
(4) 県央基幹病院の早期整備について
(5) 高速バス路線維持にかかる県の支援について
(6) 介護施設に対する県の財政支援について
(7) 小木―直江津航路における県と市町村との役割分担について
(8) 県予算に係る市町村との事前協議・調整について2国や他の関係機関との関係から生じ
た問題
国や他の関係機関に対する知事の強い対抗心が垣間見えることがあるが、その結果、良好な
関係に軋みが生じたと考えられる面がある。行き過ぎた言動や対応は、両者の間に軋轢や弊
害が生じるのではないかと考える。
3知事と職員との意思疎通に係る問題
知事と職員との意思疎通が十分ではないために生じたと考えられる問題がある。本来、県庁
内部の様子を市町村が知ることは困難な面があるが、市町村に事前の相談がないままに突
然予算案が示されたりしたために、市町村に混乱が生じ、結果として県の事務方が市の事務
方に謝罪した例もある。
以下にその具体例を挙げる。
(1) 県の医療・福祉法定4計画の未策定問題について
(2) 子ども医療費・子育て支援にかかる県予算編成時の混乱について
3) 上水道の汚泥処分について
4知事自身の意見により事業等に遅れ等が生じた問題
知事が、自身の意見に対し強い信念を持つことは結構なことと考えるが、その意見に固執する
あまり、市町村の業務や事業等に支障が生ずるケースがあった。
5その他の理由による事業等の遅れの問題
財政規律の維持やその他の理由により、特定の分野での予算が、就任前と比較して大幅に
減少するなど、事業等の執行に支障が出ているという問題がある。
6全県発展のための県知事のリーダーシップの問題
全県にわたる地域経済の発展、県民生活の向上に資する政策に対して、県知事のリーダーシ
ップが十分に発揮されていないものが見受けられる。
7県政に対する今後の課題
(1)病児・病後児保育施設整備に対する支援の拡充ほかについて
(2)水道事業の広域化への支援について
(3)医療過疎に対する県の取組について


2016年5月30日付知事コメント
 
 去る5月27日(金)に市長会及び町村会から出された県政に関する検証の書面は、私の不
在の間にお届けいただきました。
 県と市町村の間の意思疎通の不足を問題視するのであればなおのこと、私の不在時にお届
けいただくような形ではなく、主導してまとめられた市長会長等との面談の機会を設定した上
で、意見交換させていただくべきではないかと考えています。

 指摘の内容的にも、意見交換によって理解を深める必要がある課題があると感じています。

 例えば、原子力防災やがれき処理の問題について言えば、私としては県民の安全・安心の
確保を第一に考えた対応をとっているつもりでありますが、指摘では、国の方針に従うべきと
の趣旨が色濃く出ているように思います。
 国の方針に従った場合、例えば、屋内退避指示が出され被爆する可能性がある中で、誰が
安定ヨウ素剤を配付するかという問題もあり、県民の安全・安心をどのように確保するのか、
十分お聞きする必要があると考えます。


『加茂市長:客観的見地から泉田知事を評価する談話』
平成28年6月28日
客観的見地から泉田知事を評価する談話(要旨)
加茂市長小池清彦

このたび新潟県の森市長会長と渡辺町村会長から、実質的に泉田知事を弾劾する文書が出
され、県民に甚大な影響を与えていることにかんがみ、客観的に泉田知事さんを評価してみた
ものであります。
去る4月20日の新潟県市長会の席上で、突如森会長から原案が示されたものであります。
これに対して、数人の市長が立って、知事を非難する発言を行いました。しかし、大部分の市
長は、発言をしませんでした。そのあと、森会長から、この資料は入村副会長(妙高市長)と久
住見附市長に取りまとめていただくので、意見のある方は事務局まで連絡していただきたいと
のことでありました。
そもそも、この資料は、泉田知事さんから市長会に推薦依頼が来ているので、その検討のた
めの資料だとのことであり、泉田知事に対する実質的な弾劾文書として、直接知事宛てに出す
ものであるとは、私も全く思わなかったのでありました。他の市長もそうだったと思います。
もし、このような形の重要文書を知事宛てに出すのであれば、市長全員の会議を開いて最終
案を示し、これを直接知事宛てに出すべきかどうかも含めて、十分に議論すべきものでありま
す。
しかるにこのような手続きは一切なされず、いきなり「本件の取扱いについては、事前にお知ら
せすべきところではありましたが、町村会との調整により、急遽5月27日に入村妙高市長(本
会副会長)及び小林出雲崎町長(町村会副会長)から、県秘書課を通じて泉田知事にお届け
いたしました。また、本日、記者発表(棚入れ)するとともに、自民党県連等に情報提供するこ
ととしております。」という各市長あての文書を付けて、事後に、この知事に出された文書が送
られて来ました。
泉田知事さんは、「この文書は市町村長の総意ではない。」と言っておられますが、以上の経
緯から見て、知事さんの言っておられることは間違いありません。

次に、この弾劾文書の内容でありますが、次のように多くの点で正確ではありません。
1「国や他の関係機関との良好な関係に軋みが生じた。」という点について
?泉田知事は、厚生労働省と国土交通省から副知事を連れて来ておられ、この両省庁との関
係は、極めて良好です。他の国の省庁との関係も良好であります。
?JRとの関係でありますが、泉田知事が努力されたのは、鉄道の経営に関する地方の分担金
が多すぎるので、これを減らしてほしいということであり、もっとJRにお金を出してほしいという
ことでありまして、知事の行動は立派であります。

2「知事と職員との意思疎通が十分でない。」という点について
私が県当局と一緒に仕事をして感じることは、知事と職員との意思疎通は、十分に行われてお
ります。

3「知事自身の意見その他の理由により、事業等に遅れが生じている。」とする点
公平に見て、事業等の遅れはありません。国の財政事情から、国から県に来る金は、どの県
も大幅に減っております。新潟県も裕福ではありません。こうした中で、知事さんは、よくやって
おられます。

4「知事が行った指示により、市町村との関係の中でいくつかの問題が生じた。」とする点
?こうした点は、それほど多くはありません。
?震災がれきの新潟県内処理も、他県に対する自分の面子を犠牲にしても頑張っておられる
知事さんは、立派だと思います。

5泉田県政の優れた点について
?防災体制
知事さんが築き上げられた新潟県の防災体制は、極めて優れたものです。
?柏崎刈羽原発について
福島原発が被災したとき、アメリカから日本政府に緊急の連絡があり、「4号建屋を守れ。4号
建屋は燃料庫なので、これがやられると、東北地方全域に、人が住めなくなる。」といって来た
といわれています。幸いに4号建屋は守り抜いたわけです。柏崎刈羽原発にも、4号建屋があ
り、燃料棒がつまっています。将来もし、これがやられることがあれば、北陸地方、東北地方、
関東地方一帯は、何百年にもわたって人が住めなくなるおそれがあります。体を張って、柏崎
原発の再開に慎重論をとなえておられる泉田知事さんは、立派です。

6泉田県政の評価
以上にかんがみれば、これまでの泉田県政に泉田知事の四選を否定するような失政は、あり
ません。



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