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No.987:始皇帝を騙した徐福
(10月25日分)


特殊詐欺が無くならない。ATMに出かけて、指示の通り操作した。ナント預金の残高が数百万
円減ってしまった。何故だ、どうしてだ。あの人は増えるといったのに▼お金がたくさんある人
は高齢者に多いという。犯人の一部には、世のため人のために、使ってあげるのだと、うそぶ
く輩もいる。騙された老親に対し、子どもの小言が厳しい。一家にとって不幸な事件である▼詐
欺の天才は「徐福」(じょふく)であろうか。今から約2200年も昔、中国・秦(しん)王朝時代の
人である。騙した相手は、なんと時の皇帝・始皇帝だった。中国を初めて統一し秦王朝を建
国。万里の長城を築いた。稀代の英傑を騙した▼徐福はまず不老不死の薬があると言上。皇
帝から多額の資金を引き出し海外へ旅立つ。そして「遂に神に会い、不老不死の妙薬をもらう
ことで話を付けた」と、いったん帰国する。だが入手には、「若い男女3000人、五穀の種子、
そして多額の資金」を神が求めているとした▼ここでオカシイと思うべきであるが、不老不死を
願うあまり、皇帝は全てを与えた。徐福は満面の笑みで、「近々戻ります」と海外へ出発。もち
ろん2度と戻ることは無かった。男女3000人の若者も1人として戻らなかった▼徐福が旅立っ
た先は日本列島であるという。日本各地に残る「徐福上陸の地」がそれを伝えている。徐福の
もたらした五穀の種子の一つがイネであり、3000人の若者が日本に稲作文化を根付かせた
ともいう▼徐福の物語は、壮大な詐欺の歴史に華をそえている。(とけいそう)




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