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No.870:「愛の南京錠」

(8月18日分)

セーヌ川(フランス・パリ)にかかる橋の一つに「ポンデザール橋」がある。ルーヴル美術館に向
かうことから芸術橋とも言う。パリ観光の定番スポットである▼パリで初めて竣工した金属製の
橋として知られるが、「愛の南京錠」によって一段と有名になった。南京錠をぶら下げるため
に、世界中から恋人たちがやってくる。家族連れや夫婦など観光客はもちろんである。皆この
橋に南京錠をぶら下げることで変わらぬ愛を誓うとか▼カギは思い切りよく眼下のセーヌ川に
投げ込む。こうして南京錠は永遠に欄干にぶら下がることになった。その数はおよそ100万個
とか。ロマンチックなこの習慣がいつどこで始まったのかは、定かではない。今世紀初頭から
急に流行し出した。今ではパリ市内の複数個所に「愛の南京錠」が所在し、パリ観光の目玉に
なった▼わが国でも流行している。神戸市ではヴィーナスブリッジをわざわざ設置。観光の目
玉にした。身近では寺泊などの海岸であろうか。日本海の静かな佇まいに夕日が沈む。そこに
カギをかけ決して外すことがない南京錠がかかっている。なんとロマンチックなことか。いつの
間にか人気のスポットになり、その数は増える一方である▼だが「ポンデザール橋」の欄干が
南京錠の重みで壊れた。一時通行禁止になる。景観を乱すとの指摘も出た。ついにパリ市当
局はパリ市内の「愛の南京錠」を全て撤去するという。100万個あまりの南京錠の総重量は約
45トン▼愛はまことに重い。(とけいそう)













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