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(6月23日分)
「平和の森公園」(長岡市本町)には2本のアオギリが成長している。公園建設時に広島市から
苗を譲り受けて植樹した▼2本の親は昭和20年8月6日、人類初の原爆を受ける。爆心から 1・9`b地点での被爆だった。熱線と爆風を受けて枝や葉は全て焼失。幹の半分(爆心側) が焼けてしまった。枯れるしかないと思われたのであるが、生命力は強かった。新たな芽を吹 く。今では平和記念公園(広島市中区)で生育、原爆の被害を無言のうちに語り続けている▼ 2本のアオギリはその子どもである。種から発芽した実生苗は、アオギリ2世として成長した。 今では同公園のコンセプトである「空襲の記憶をとどめ、平和のメッセージを発信する」を体現 する。広島市で世界に向けて発信している親アオギリ同様に、平和への思いを語りかけてくる ▼樹木の寿命は長い。子の無事な成長を願って庭に植えた1本の桜や梅の木も、やがて大木 になり、見事な花を咲かす。アオギリも大木に成長する。花を咲かせ種を飛ばす。悠久の時間 の流れの中で、長岡の町を眺めながら、平和への思いを語り続けることだろう。アオギリ2世を 「平和の森公園」に植えたいと考えた先人は、卓見であった▼戦後70年。節目の年になった。 弊紙では「市民が描く70年前の悲劇」―空襲体験画展―を掲載している。長岡戦災資料館の 好意で資料の提供を受けた。体験者が描いた1枚1枚の絵からは、戦争の悲惨さが伝わって くる▼体験画も2本のアオギリ2世も無言ではあるが、その思いに静かに耳を傾けたい。(社 主)
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