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No.857:「無くならないオレオレ詐欺」
(6月2日分)
オレオレ詐欺被害がなくならない。なぜ人は騙されやすいのか。久しぶりの我が子からの電話
である。窮地を救えるのはお母さんしかいない。すっかり張り切った親心に詐欺犯は入り込ん
でしまう▼「会社の金を使い込んだ」「既婚女性を妊娠させた」など奇想天外な理由に、親心は
大金を出してしまう。警察では「新潟県人は人を疑わない傾向が強い」とし、「警察にまず相談
してほしい」と話す。それでも詐欺はなくならない▼銀行窓口で詐欺を食い止めることがある。
だが多くの場合、真実と信じ切った当事者には、銀行員の言葉はなかなか耳に入らない。心に
飛び込んでこない。ワタクシのお金を息子のために使うだけなのに、と子を想う親心は目が見
えなくなっている▼「高齢者がお金を持っていてもしかたがないだろう」と詐欺犯はうそぶくとい
う。「簡単に大金が入るのであれば、自分も――」などと安易に考える若者もいるという。さらに
ショックのあまりふさぎ込んでいる高齢者を、本当の息子や娘が非難する。その子から詰問さ
れて死を選ぶなど新たな悲劇も生じる▼娘から頼まれて孫のため大金を出した老母は、大金
が戻らないことを知って娘を責めた。何故騙されたのか。お前はばかだったと。「騙された自分
は悪くないはず」であるのに、まるで騙された者に罪があるようだ▼国会で安保法制の審議が
始まっている。国民の安全のためという。きっとそうなのだろう。決して壮大な騙しのテクニック
ではないのだろう。だが何やら青空が眩しすぎる。(とけいそう)



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