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No.856:「蛙の目借り時」(かわずのめかりどき)

(5月26日分)
田んぼでは田植えが終わったようである。早苗が心もとなく風に揺れている。たくましさを感じさ
せるにはもう少し時間がかかりそうであるが、果てもなく広がる早苗は安らぎを与えてくれる▼
その田んぼでカエルの声がにぎやかである。決して大きな体型ではないはずであるが、声だけ
聞いていると、かなりの大きさに感じてしまう。カエルの大合唱を聞く今の時期を、俳句の世界
では「蛙の目借り時」(かわずのめかりどき)という。カエルに目を奪われて、春は「春眠暁を覚
えず」、眠くて視界がぼやける▼それでは困る。目をしっかり開いて、田んぼへ転げ落ちないよ
うにしなければならない。だがイソップ物語の母カエルは精一杯おなかを膨らます。子カエルは
もっと大きかったという。事実を見つめない母カエルは、おなかを膨らませ続ける。もっと大き
かったという子カエルの前で、とうとう破裂、死んでしまう。身の程をわきまえないと残酷な結果
が待っている▼最近の日本はかしましい。自衛のために頑張るとして、新法を国会に上程し
た。反対の声も多数の前ではいかんともなしがたい。戦後70年に様々な回顧がなされている。
あの当時アメリカのGNPは931億ドルだった。対する日本は67億ドル(1925年)。石油はアメ
リカから輸入していた。10分の1以上の格差で戦ったことになる。自衛のためと言っても、戦闘
のすべてを海外(主に中国大陸)で戦った。日本は相手国民の心情を思う心が希薄だった▼
国家の力をわきまえなければ、努力が無駄になる。(とけいそう)




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