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No.844:幸福のカタチ

(4月4日分)

長岡は城下町である。堀直竒が1616(元和2)年に築城。2年後の1618(同4)年に牧野忠
成が入府して幕末まで統治した▼城は戊辰戦争の中で焼失したのであるが、そこかしこに城
下町の面影は残り、今に語りかけてくる。「米百俵」の故事は城を失った城下町長岡に伝わる
かけがえのない歴史であり、伝統である▼忠成入府に際しては、新たなまちづくりが行われた
に違いない。あれから400年が経過しようとしている今、再度のまちづくりが進んでいる。その
核になるアオーレ長岡は大成功だった。長岡城の跡地に建ち市役所を置く。ソトドマには長岡
城の由来書きがあり、城内稲荷が鎮座する。ナカドマは雪国の悪天候を遮るのにピッタリなア
イディアである。行き交う市民は皆、喜びの笑顔である▼物質的に恵まれた環境を幸福の尺
度にすることが多い。冷暖房が完備した住宅に住み、清潔で上品な衣服を身に着ける。栄養
バランスが取れた三度の食事を当然のこととする。子らの成長を見守る。そのような生活が幸
福のカタチと考える▼ブータン王国では、国民一人当たりの幸福を考え、その総和が国の幸
福であるとして国づくりをすすめている。数字のGDP(国民総生産)ではなく、心のGDH(国民
総幸福量)はブータンのみならず広く世界で受け入れられている▼それぞれの土地には歴史
がある。その歴史を「土地の記憶」という。長岡城は無いにしても、今も息づいている「記憶」が
ある。それを守り育てていくことが、まちづくりであり、幸福のカタチである。(とけいそう)



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