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悠久録(過去の悠久録はこちら)
長岡新聞・悠久録No.1137:がんばれハヤブサ2
(7月3日分)
夏の夜空は美しく星が煌めいている。都会の喧騒を逃れて山奥の街灯の無い土地で観る星
空は、きっと素晴らしいことだろう。穂高や白馬の山頂での星空も、モンゴルの大平原の星空
も、格別に美しいことだろう▼そのような夜空へのあこがれが七夕の物語を生み、かぐや姫の
挿話を生んでいる。「あなたの運勢を星座で占う」ことも定番になった。星座の物語は今ではだ
れしも知っていることのようだ。だが眺めることで夢をかきたてられるにしても、実際に行くのは
大変だ▼小惑星「リュウグウ」を目指して「はやぶさ2」は、3年半も飛び続けた。最近ようやく
間近に到着し、所定の位置から着陸の機会を窺っているという。地球を飛び立ったのが2014
年12月。飛行距離は32億`bである。時速何キロだろうかと電卓を叩いてみたらおおよそ10
万`と出た。時速10万`とはどのようなスピードなのか▼高速道路の制限速度時速100`で
計算してみたら約3600年かかると出た。「ハヤブサ2」のスピードはすごい。地上では実現不
可能な猛烈なスピードが、宇宙空間では可能になる。そのスピードを制御して、所定の位置に
辿りつかせる。人間の英知は計り知れないと改めて感じる▼関係者たちは「リュウグウ」の岩
石などを採取して宇宙の起源、さらには命の起源を解明したいという。これだけの科学技術が
あれば、車の自動運転もきっとうまくいくだろう。機械任せにできるのであれば、老化も怖くな
い。夏の夜空に可能性が広がっている▼がんばれ「ハヤブサ2」。(とけいそう)


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