長岡新聞:トップ
社主のプロフイール 
購読の申込みメールでOK。 1か月1851円です。
ライターを募集しています(0258−32−1933:希望の方は星野へ) 
新刊案内『長岡築城物語』、『いい湯めぐり温泉紀行』:詳しくはこちら
川柳、俳句、短歌に投稿しませんか:詳しくはこちら

悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.1056:バカはアホと並んで気になる言葉である
(7月25日分)

バカはアホと並んで気になる言葉である。民俗学者の柳田國男(1875〜1962)は『馬鹿考
異説』で限りない関心を示し、バカの元は「おこがましい」の「おこ」が転じたものとした。「おこ」
は「烏滸」と書いて「人を笑わせる者」つまり馬鹿を指す。だが異説も多い▼「おこ」が「バカ」に
転じるのも随分アバウトでないか。「バカ」には「モノ」がつくが同じ意味の「アホ」にはつかない。
少しおかしいのでないかと。さらに鹿を馬とした中国(秦)の故事からとの説もある▼以前某放
送局が方言特集としてアホ・バカを特集、放送したことがある。アホは関西系、バカは関東系と
漠然と区分しているなかでの放送は、注目を浴びたものである。だが語源も、言語としての境
界線も今一つはっきりしない▼語源として興味深いのは中国(唐)の詩人白楽天(772〜84
6)の「傷宅」(宅をいたむ)である(『白氏文集』所収)。権勢並ぶものがない「馬家」一族は豪奢
な生活をし、千年の繁栄を夢見た。だが皇帝に猜疑の目を向けられ財産は没収、追放の憂き
目を見る。豪華な家は皇帝の園になった▼白楽天は「傷宅」で過去の栄華を語り、そして今の
哀れを詠う。「見ずや馬家の宅/今奉誠園となるを」と。『白氏文集』は平安時代の日本に伝わ
り、王朝の貴族は「馬家」一族の軽挙妄動を知る。そしてバカが生まれたともいう。中国の古典
には「傷宅」以外無いようだ。結局よくわからない▼だが会議の内容を理解できない大臣は、
権勢だけの「馬家」に見えるのは確かだ。(とけいそう)



フリーのライターを募集しています(0258−32−1933:希望の方は星野へ) 。今のお仕事
の合間にできる仕事です。
購読の申込みも同番号へ
トップへ
戻る