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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.1018:「桜守(さくらもり)」

今年は雪が少なく助かっている。山陰地方では混乱が生じたようであるが、気候は温暖化へ
向かうのだろうか。雪の難儀さは次第に軽くなった▼もうすぐ3月。桜の季節が近い。桜は日本
人のDNAに沁みついている。長岡でも悠久山や福島江の桜など、名所は多い。雪国植物園で
は桜の植樹を進め壮大な花の山を創るという。いずれの桜も市民の有志が営々として育てて
きた。桜を慈しみ育てている人を「桜守(さくらもり)」という。日本の各地に「桜守」がおり、その
汗の結晶を私たちは楽しんでいる▼静岡県河津町の河津桜は、大きな花びらで濃い目のピン
クが評判。早い開花で知られている。今年はさらに早い様子で10日には、「第27回河津桜まつ
り」が始まった。川沿いに800本に及ぶ桜並木が1ヶ月ほど咲き誇る▼早咲きのオオシマザク
ラ系とヒカンザクラ系の自然交配種と考えられており、原木は町指定の天然記念物である。華
麗な花色に魅了された同町の「桜守」が、原木から苗木を丹念に育成し、今の評判を築き上げ
た▼今日が忌日とされる歌人に、西行法師(1118〜1190)がいる。73歳の時没したが、桜
を愛でるあまり「願わくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ」との歌を遺した。そ
の死は望みどおりの2月、満月のころだった。だが日付に関係なく桜の開花は西行忌であると
して、「花あれば西行の日とおもふべし」(角川源義)とする俳人もいる▼桜をこよなく愛した古
人の心を言えて妙である。その桜の季節もようやく近くなった。(とけいそう)


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