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No.1019:『レオナルド・ダ・ヴィンチ・美と知の迷宮』

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519)はフィレンツェ共和国(現イタリア)が生んだ美の巨
匠。ルネサンスの芸術史を飾る巨人である。美のみならず音楽、建築、数学、幾何学、解剖
学、生理学、天文学、気象学、地質学、地理学、物理学、光学、土木工学など、様々な分野に
多彩な業績を残した▼盛期ルネサンスの芸術を代表する天才とされ、「万能人」の尊称もあ
る。彼が描いた絵画『最後の晩餐』や『モナ・リザ』は、私達日本人にも親しまれ、さらに『ウィト
ルウィウス的人体図』に代表される解剖図は、驚異的な正確さをもって見る者を圧倒する▼伝
わる人物像は長身で長髪。美男子という。そのうえ万能の人となれば、あらゆるものを兼ね備
えた異色の人だった。軍事技術にも精通。ローマ法王軍の総指揮官チェーザレ・ボルジアの軍
事顧問兼技術者でもあった。軍事顧問では政争に身を置くことが多かっただろう。その分いま
だに解けない謎も多い。スリラーやサスペンスものとして映画や小説の題材にもなっている▼
T・ジョイ長岡(千秋2)では18日から、『レオナルド・ダ・ヴィンチ・美と知の迷宮』を上映してい
る。監督は『ミラノ・スカラ座・魅惑の神殿』のルカ・ルチーニ。代表作や素描100点以上を4K
スキャン映像で紹介するというから、美術ファンにはたまらない魅力になる▼ルネサンスがもた
らした芸術の光と影の全てを体現するのがレオナルドである。映画が何を語ってくれるのか。
雪の長岡でイタリアの空気を感じるのも楽しみである。(とけいそう)



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