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地域の話題
中越地震からの復興
芋川流域の地すべり対策事業が完了

 中越地震で大規模な土砂崩れを起こした山古志地域などの芋川流域で、国土交通省北陸
地方整備局が進めていた地すべり対策事業が完了。これにともない18日、ホテルニューオー
タニ長岡で「芋川地区直轄地すべり対策事業完了記念式典」が行われた。11年をかけての工
事が終了し、安心安全が高まったことに地元住民や関係者らは喜びの声をあげていた。
 2004年10月23日に発生した中越地震で、山古志地域は震度6強を含む強い揺れに襲わ
れた。多数の土砂災害が発生し道路が寸断。全集落が孤立し全村が避難する事態だった。地
域を流れる芋川流域では75カ所で地すべりが発生。河道閉塞(崩れた土砂が川をせき止め
る)が55カ所で起きた。このため木籠集落や楢木集落では住宅が水没し、現在もその姿をとど
め、災害の恐ろしさを示している。

国直轄事業として11年かけての工事

 当初は県による地すべり対策工事であったが、豪雪などの影響によって芋川流域では広範
囲に地すべりの危険性が高まった。このため人家などへの被害発生が懸念される芋川流域を
対象に06年4月、長岡、小千谷、魚沼3市の19地区56カ所を国直轄とした(総事業費187億
円)。工事は地下水を効率的に排水する集水井工や、コンクリートの枠で地表を押さえ表面の
浸食を防ぐ法枠工、床固工など最新の防災工事が広範囲で行われた。
 式典では、北陸地方整備局の中神陽一局長が「中越地震とそれに続く豪雪により、芋川流
域は荒廃した。工事着手から11年が経過し、日本の原風景と呼ばれた芋川地区の自然も回
復。地震前に戻りつつある。この工事が流域住民の安全と安心の向上、地域の生活基盤安定
に多大な効果を発揮し、震災からさらなる復興に大いに貢献することを確信している」と式辞を
述べた。
 今後の管理は県が担うことになる。中神局長は米山隆一新潟県知事に、芋川地区直轄地す
べり対策事業の目録を手渡した。米山県知事は「芋川地区では多くの土砂災害が発生した。
起工から11年の歳月をかけての工事完了。これにより、流域の安全安心が確保されるととも
に、今後の活力ある地域づくりにも寄与すると思っている」と話した。

長島衆院議員が震災当時を振り返り講演

 この後、震災時には旧山古志村長だった長島忠美衆院議員が「中越地震と山古志の復興」
をテーマに記念講演をした。長島議員は、被災直後から全村避難までの状況を説明。芋川流
域の土砂災害については「当時、村議だった関正史さん(現・長岡市議会議長)から、『東竹沢
小学校の前に山ができた』と聞いた。小学校の前には国道があって、その先はがけで下を芋
川が流れている。どういうことだろうと思った。現場を見ると、山が崩れて300bほど平行移動
していた」と被害の大きさを語った。
 「地震から13年で事業の完了を迎えることができうれしく思っている。しかし、震災直後から木
籠の区長として住民のとりまとめや復興に尽力し、この日を一番心待ちにしていた松井治二さ
んは2年前に亡くなっており、報告に行かなければと思っている」とし、「山古志村長として、震
災を振り返るならば、村民そして役場職員を誇りに思うと答える。山古志の復興が、日本全体
の安心安全、地域活性化の原点となるように、これからもやっていきたい」と話し、列席者の共
感を呼んでいた。



 
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