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原発再稼働
原発・相次ぐ不祥事に不信感高まる
再稼動して大丈夫なのか


東京電力ホールディングスは柏崎刈羽原子力発電所の再稼動に向けて、数次の補正書を提
出、審査を受けて認可手続きは全て終了した。このほど県内自治体での説明会を開催し、原
子炉の起動前検査に備える予定だった。同説明会は、柏崎市では1月25日、刈羽村で27日と
1月中に2カ所実施し、2月には長岡市で8日、上越市で9日、12日には新潟市で開催してい
る。
だが、柏崎市での説明会直前に同原発所員が他の所員のIDカードを使用して中央制御室に
入室したことが判明。さらに完了と発表した7号機の安全対策工事が未了だったなどの不祥事
が発覚した。しかもその公表が遅れるなどして、隠蔽でないかとの指摘も生じた。
このため住民説明会では、適格性を疑問視する厳しい声が相次いだ。

 柏崎刈羽原発 長岡で住民説明会

 不祥事が続く柏崎刈羽原子力発電所に関しての住民説明会「地域の皆さまへの説明会」が
8日、リリックホールで開催になった。主催は同原発を設置運営する東京電力ホールディング
ス梶B参加者からは、再稼働反対や東電の原発運用に対する適格性を疑問視する厳しい声
が相次いだ。
東電による立地自治体(柏崎市と刈羽村)での住民説明会は2018年1月、同原発6、7号機
が原子力規制委員会の適合性審査に合格したことを受けての開催以来のこと。立地自治体
以外(新潟、長岡、上越の3市)で説明会を開くのは福島第1原発事故から初めてである。

これでは安全な稼動ができるのか 

同説明会は、原発7号機の安全対策工事が13日に完了(実は未了だった)したことから住民に
現状を説明し再稼働への理解を深めてもらおうとの趣旨である。立地自治体以外の住民に対
しても現状を説明して、早期再稼動に向けた道筋をつけようと意図していた。さらには安全対
策工事が終了したことから、核燃料の装填を4月までに行い、原子炉の起動前検査を済ませ
ようと意図していた。
 だが柏崎市での説明会の直前の1月23日、同原発所員が他の所員のIDカードを使い不正
に中央制御室入室していた(昨年9月)。同制御室は原発の安全管理上、最重要な施設であ
り、入退室には最も厳重なセキュリティーが要求される。あまりにもイージーな事態であった。し
かもその発表は遅れに遅れ、年が明けてからになった。これでは隠蔽と言われても仕方がな
い(不正利用についての詳細は別掲)。
さらに完了と発表した7号機の安全対策工事が未了だった(27日に発覚)。
 こうした事態を受けて、安全な稼動ができないとの疑念が強まり、柏崎市や刈羽村での説明
会では住民から再稼動反対の意見が相次いだ。花角英世知事や桜井雅浩・柏崎市長も東電
に対する不快感を示した。IDカード不正利用による入室の詳細が判明すると、再稼動を容認し
ていた層からも厳しい声が続出した。
再稼動に向けたスケジュールは、一連の不祥事により大きく変更を余儀なくされる。

不正入室と工事未了を完了としたことを謝罪

 こうした中、長岡での説明会は予定通りに開かれ、市民ら約100人が参加した。東電新潟
本社の橘田昌哉代表は説明会の冒頭で、IDカードを不正に利用して中央制御室へ不正に入
室していたことと安全対策工事が未了であるにもかかわらず、完了としたことについて謝罪し
た。
その後、同原発の石井武生所長が、新規制基準の適合性検査と安全対策の取り組みについ
て説明。引き続き、新潟本社と同原発の幹部らが、約40分間にわたって参加者からの質問や
意見に答えた。
説明会は、安全対策工事の完了を一方的に報告する場ではなく、「県下の皆さんから意見を
いただく大切な場であるため、中止とせずに開催することにした」というが、IDカード不正利用
に関する発表の遅れに対する不信感は強く、原発再稼動に対する好意的な意見は出なかっ
た。特に運用面では「ヒューマンエラーは防げない」や「施設を強化する前に、人の教育をした
方がいいのではないか」との声も出た。
 
今一度、信頼していただける企業となるように

橘田代表は「福島の事故で得た最大の教訓は、安全はこれで十分と思ってはいけないというこ
と。福島の事故以降に入社した社員も増え、あの時の教訓をしっかりと伝えていく必要性を感
じている」とした。そのうえで「たくさんの人から話を聞くようにしていきたい」と答えていた。
 説明会の最後に橘田代表は「東京電力と新潟県は、信濃川水系での水力発電が始まって以
来、90年あまりの付き合いがある。今一度、信頼していただける企業となるように情報を発信
していく。原発は再稼動のスケジュールありきではなく、安全性最優先で進めていきたい」と述
べた。

ID不正使用による中央制御室侵入・詳細
東京電力ホールディングス梶@
2021 年 2 月 9 日公表 


東京電力ホールディングス鰍ヘ2月9日、今回のIDカード不正使用について詳細を公表した
(「柏崎刈羽原子力発電所所員による発電所建屋内への不正入域」事案概要)。以下にその
要旨を掲載する。極めてイージーな扱いが日常化しているようである。

本文・要旨
同発電所中央制御室員Aが勤務日(2020年9月20日)に自己のロッカーに収納していたはず
のID カードを見つけることができなかった。そこで勤務日ではない同僚Bのロッカー(無施錠だ
った)から勝手に1Dカードを持ち出した。
Aは紛失の旨管理監督者に報告をしなかったため、AのIDカード無効化の手続きは行われな
かった。
Aは周辺防護区域では委託警備員に対して、Bの氏名を名乗って通過。同委託警備員は違和
感を覚えたが、通してしまった。
防護区域では複数回エラーとなったため、社員警備員Cが確認したがAに対し、周辺防護区域
外に戻り、個人を特定するための識別情報を登録し直すように伝えた。
こうしてBのIDカードにAの情報が登録され、Aは再度周辺防護区域通過を試み、通過した。
Aは勤務が終了した同日(9 月 20 日)夜に、Bの ID カードをロッカーにそのまま戻した。翌日
(9 月 21 日)朝、Bが勤務の際、防護区域の出入口で複数回エラーとなった。たまたま社員警
備員Cが継続して勤務しており、昨日の登録の経緯から不審に思い、Bに事情確認。不正使
用が発覚した。
同社はAの入域許可を停止。AのIDカードは、前日(9 月 20 日)夜にロッカー内で本人が見つ
けた。



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