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愛縁奇縁
No.110:ドルの一人勝ち 強まる不確定要素


〇12月16日、ロシア中央銀行が政策金利を10・5%から17%に大幅に利上げした。同行は12日
に政策金利を9・5%から10・5%に引き上げたばかりである。それからわずか4日後に6・5ポ
イントもの大幅利上げである。同行の狼狽ぶり、ロシア政府の危機感が如実に表れた。このま
まではハイパーインフレに向かうのではないかとの懸念もささやかれている。

〇今回の大幅利上げで急激に進行するルーブル安とハイパーインフレに対応できるのか。20
14年初頭に1ドルが30ルーブル台だったロシアの通貨は、今では1ドル70ルーブルと半値ま
で下落した。
昨年4月末にはロシア国債の格付けは投資適格級で最低級に格下げになった。

〇ロシアはウクライナとの間で緊張関係に陥った。ウクライナとの軍事軋轢は無謀な領土的野
心の表れとして、欧米諸国による経済制裁が行われている。これに対抗して欧米からの食料
輸入を禁止したことが急激なインフレの口火を切った。
11月のインフレ率は9%をこえたというから凄まじい。ちなみに日本では0%台であり、安倍の
ミクスでは何とか2%にしたいとしているのであるから、我が国とは雲泥の差がある。
物価の急激な上昇は、前述の金利引き上げでも止まりそうにない状況になった。

〇もちろんロシア中央銀行は傍観していたわけではなく、懸命な対応を図っている。だが追い
打ちをかけるように原油価格が下落した。
ロシアは北海ブレント価格を原油輸出価格の基本にしており、想定は1バレル=100ドルとい
う。しかし同北海価格は9月に1バレル100ドルを割り込み、現在は1バレル60ドルを切る事
態になった。半値になっては政策が追いつけない。
原油高騰で潤っていたロシア財政は耐えることができるのか。過去の蓄財がどこまでもつの
か。懸念が広がった結果が年初早々の株価下落である。

〇ロシアは1998年に財政危機に陥り、国債をデフォルトしている。このときは対外債務を90
日間支払停止にした。もう一度このような事態が起きたら、国際金融は大打撃である。
お金には色が無い。近代資本主義は銀行組織によって無数の債権と債務が連鎖している状
態にある。信用創造による資金の発生は看過できない規模である。どこかでその連鎖が切れ
れば、たとえばデフォルトになれば、債権は宙に浮く。

〇日本も急激な円安に見舞われている。アベノミクスの帰結は円安実現であり、円安はメリット
があるとされている。だが一度始まった通貨の急激な変動は、その流れを止めることが難し
い。当面円安がさらに続くと想定すべきだろう。
2014年は不確定要素がさらに強まっている。(黄色い風見鶏)




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No.109:研究者小保方さんは退職
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