長岡新聞:トップ
社主のプロフイール 
購読の申込みメールでOK。 1か月1851円です。
新刊案内『長岡築城物語』、『いい湯めぐり温泉紀行』:詳しくはこちら
川柳、俳句、短歌に投稿しませんか:詳しくはこちら

愛縁奇縁
No.106:32年間もかかった誤報取り消し:従軍慰安婦

〇太平洋戦争中に起きたとされる慰安婦問題は、日本国の品位を貶めるものです。それが事
実であれば、私たちは大きな反省をせねばなりません。河野談話(1993年)など自虐的な行
動も甘受しなければならないでしょう。
だが慰安婦問題は事実無根、朝日新聞の大誤報であることを同紙は認めました。当初から疑
問視されていたのですが、同紙は8月5日、慰安婦問題を「誤報」と断定し、関連記事16本を取
り消す旨紙面で報道しています。
慰安婦問題の虚偽性を同紙が自覚したのは1997年といいます。そこから数えても17年。当
初の報道からでは32年が経過しています。あまりにも遅すぎた対応でした。日本国内はもとよ
り世界に向かって誤報を繰り返した影響はあまりにも大きいものです。

〇そもそもの始まりは、慰安婦問題を過激に書いた小説(『朝鮮人慰安婦と日本人』・新人物
往来社・1977年刊)からと聞きます。執筆者吉田清治氏(2000年死去)はノンフィクションと
説明し、出版社は小説と理解していました。しかし当時の同紙は深く検証しないまま事実として
報道。さらにその報道を幾度も繰り返したのです。
与えた影響も、その修正に要した時間も桁外れに大きくなりました。
8月5日付朝刊12面で同紙は、「虚偽だと判断し、記事を取り消します。当時、虚偽の証言を見
抜けませんでした」としています。

〇誤報であったとする記事取り消しになぜ32年間もかかったのでしょうか。ここにきて突然認
めたのはなぜなのでしょう。
一部にはジャーナリスト池上彰さんのコラム掲載を拒否したことが批判を浴びたからとの指摘
があります。さらに東京電力福島第1原発の事故に際し、当時の東京電力職員が命令に背い
て退避したとの誤報記事のためとの指摘もあります。これらが重なったためでしょうか。

〇しかし、8月5日の同紙1面掲載の「慰安婦問題の本質直視を」との記事(編集担当杉浦信
之氏の署名入り・9月12日付で解任)からは、自らが生んだ誤報が日本国の品位を貶め、日本
人の品性を傷つけたことへの真摯な反省は感じられません。そういうことはあったはずとして
強弁したり、ボスニア紛争の実態を引き出したりして糊塗しようとしています。
そのような姿は見識を欠いた見苦しいものでした。往生際が悪いとはこのことかもしれません。
重要なことは事実への確認をせずにセンセーショナルに書きたてたことです。その結果生じた
ことへの結果責任です。
しかも調査の経緯が明らかでありません。責任者は誰で、どのように調査したのでしょうか。

〇アメリカにも大きなねつ造事件はありました。たとえば1981年、ワシントンポスト紙に載った
「ジミーの世界」です。
執筆はジャネット・クック記者。クックはこの記事でピューリッツァー賞を得ています。記者として
最高の栄誉でした。だが、受賞をきっかけに「オカシイ」との声が殺到します。同紙は社内に調
査委員会を置き、実態を洗いなおしました。そして1週間後にはねつ造と断定します。3ページ
にわたる詳細な調査報告を掲載して読者に詫びました。

〇韓国の日本大使館前には慰安婦の碑が立ち、日本軍の悪逆非道を訴えています。米国(カ
リフォルニア州など)にも同様の碑が建っています。32年かかったとはいえ、今回の取り消しで
正常な国際関係に戻ることを願わざるをえません。
 それにしても、検証をあいまいなままにすることの結果には、恐ろしいものがあります。
(黄色い風見鶏)



記者を募集しています(0258−32−1933:星野へ) 
購読の申込みも同番号へ

トップへ
戻る



No.105:問われるA級戦犯合祀の是非
No.105:問われるA級戦犯合祀の是非