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No.999:身近な風物に人は新たな魅力


秋は紅葉の季節。清浄で鮮やかな色彩に行楽の心が動く。だが早い雪になるのだろうか、時
雨が続いている。落ち葉が濡れた地面に張り付いて風に舞うことができずにいる。掃き集める
に苦労する季節である▼東京には雪が降った。この時期の雪は54年振りと言う。長岡の朝晩
もめっきりと冷え込んできた。温暖化と言うが、早い雪便りを聞くと何やら違うような気もする。
寒暖の差が大きければ紅葉は綺麗であるが、これでは秋の終わりは早い▼木更津市(千葉
県)の江川海岸は夏の潮干狩り以外には人気がない。シーズンが終われば人は集まらず、寂
しい場所である。だが最近、観光客が増えだした。穏やかな海面とそこに映る電柱のつなが
り。かなたには夕陽が工場街を照らす▼これが海外の絶景に似ているとしてツイッターなどで
話題になった。急に観光客が集まりだし、ついに大手観光会社のツアーコースにもなった。君
津市(同)の清流では太陽光が水面に映え、ハート型の造形を見せる。山の中であるが、その
光景を見たいとして大勢が押し寄せている▼だが極端になれば混乱も起きる。短いのも不満
であるが長いのも困る。突然の観光地化に地元では困惑が広がっているという。道路整備も、
ごみ回収も、トイレも、いずれも対応は出来ていない。そこに嬉々として観光客が集中する▼
全てが充足している時代では、見過してきた身近な風物に人は新たな魅力を感じるようだ。こ
れから雪を迎える長岡にも、新発見が潜んでいるだろう。もうすぐ師走。今年の締めくくりの月
になる。(とけいそう)


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