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No.981:新潟県の米の新品種「新之助」

(10月8日分)

味覚の秋は、何もかもうまい。涼しさが食欲を高めるのだろう。なかでもコシヒカリはうまい。う
まさが評価されて、全国に著名になった。コシヒカリの売り上げを集計したら、全生産量を越え
ていたという笑えない話もある。それほど人気が高い▼作付面積も耕作地の約7割を占めダ
ントツに広い。だがこれだけ集中すると心配な面も出る。作付けから収穫まで概ね同じ時期に
なる。人手も集中し、無理が生じかねない。台風など気象による被害を一律に受けることにな
れば大変だ。昔からの早生、中生、晩生をバランス良く育てるやり方が良い。中生品種のコシ
ヒカリだけに偏ることはリスクを高める▼そのようなことを考えたのであろうか。市内長倉町に
所在する新潟県農業総合研究所から、平成12年こしいぶきが生まれた。コシヒカリよりも収穫
が早い早生品種であるからリスクを分散できる。しかもコシヒカリ同様、うまい。新潟県の奨励
品種になり、今では作付面積が2割に近く、コシヒカリに次ぐ▼だが、これで終わらないのが越
後人の粘りである。さらに晩生の新品種新之助を創出した。コシヒカリの遺伝子を25%受け継
ぎながらも、おいしさが違うという。開発には最初に、500 種類を交配し、20万株の品種候補
を育成した。そして「米の輝き」を基準に選定を繰り返したという。こうして収穫期別の早生、中
生、晩生が揃った▼新之助は今年試験販売をする。通年提供店を3ヶ店に絞った限定販売で
ある。販売戦略にも余念がない。新潟の米はさらにうまくなる。(とけいそう)

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