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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.939:「ニホニウム」の発見
物質は何からできているかは人類の大きな関心だった。インドでは地、水、火、風が全てを創
るとした(四大説)。更に空を加えて五大説が生まれ、中国では五行(火、木、土、金、水)にな
る。古代ギリシャでは水、火、土、空気だった▼研究は次第に精緻になっていく。第2次世界大
戦後は、原爆の開発成果を基礎に、研究が進んだ。今では金、銀、水銀、鉄など120ほどの
「元素」が全ての物質を構成するとされる。この「元素」を一覧表にしたのが「周期表」である▼
そこに日本名を冠した新しい元素が加わることになった。「ニホニウム」と言う(原子番号=11
3番、元素記号=Nh)。国際学会「国際純正・応用科学連合(IUPAC)」が、日本の申請を認
めた。発見者は理化学研究所の研究チーム(リーダー=森田浩介九州大学教授)。100年来
の悲願がようやく実現した▼チームは原子番号30番の亜鉛を同83番ビスマスにぶつけて核融
合させて生成した。多くの研究者が、新元素生成にチャレンジし、30年以上の歳月をかけた成
果であるが、寿命は約1000分の2秒。生まれてもまたたく間に次の元素に変換する。しかも
生成できたのは、いままでにわずか3個にすぎない。快挙であるが、この研究成果を活かすの
はこれからである▼森田教授は「周期表を見て、日本のグループが作った元素があることに
気づいて、理科が好きな子が増えれば望外の喜びだ」と話す。基礎研究の確立が次の技術に
繋がる。快挙をどのように次世代に繋ぐか。楽しみが増えてきた(とけいそう)

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