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No.891:フォォルクスワーゲン(VW)の蹉跌

(11月17日分)
ドイツを代表する名門企業、フォルクスワーゲン(VW)が苦境にある。リコール対策に約870
0億円。米国当局からの罰金は2兆円強。約3兆円もの費用負担は、経営の屋台骨を揺るが
すのではないのか。同社の純利益は約1兆4000億円。これでは赤字に転落する▼発端はア
メリカの排ガス規制を潜り抜けるために、ディーゼル車に特殊なソフトを搭載した。これにより、
規制をクリアしているかのように偽装したのである。名門企業であるのに、なぜそのような姑息
な手段に走ったのか。米国の世界戦略に対抗したかったのであろうか。米国内での販売シェ
アーを高めたかったのであろうか。自動車業界トップを目指す姿勢は、代償が大きかった▼V
W車は傘下に超高級車のポルシェやアウディ、さらにランボルギーニなどをもつ。カーマニアの
ビートたけしが、約2億円で購入して話題を呼んだブガッティ・ヴェイロンも傘下にある。世界で
数百台の超高級車で維持費も安くない。タイヤだけでも1セット250万円すると聞いた▼こうし
た高級車メーカーを傘下に置くのがVW社である。しかも保有現金は約5兆円もある。名門企
業にドイツでは朝野を挙げて支援する様子である。だが非難はやまない。同社の最高経営責
任者(CEO)は責任をとって辞任する。質よりも量を追求した代償は大きい▼日本でも同じよう
な事件が連続している。マンションのくい打ちや会計原則を無視した利益かさ上げなど、世の
指弾を受けている。かじ取りを間違えるとき、失うものは大きい。(とけいそう)。



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