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No.1058:鎮魂の花火
(8月1日分)

山下清(1922〜71)は貼り絵作家として知られる。各地の花火大会を訪れ、その印象を貼り
絵にした。貼り絵で人を惹きつける稀有な作家である。なかでも『長岡の花火』は名高い▼山
下はその風体から「裸の大将」といわれる。「日本のゴッホ」とも呼称され、今も人気である。そ
の言葉がさらに良い。「世界中の爆弾が花火に変わったら、きっとこの世から戦争は無くなる」
と。鎮魂の長岡花火の本質を、山下は見事に言い表した▼この言葉を知った映画監督大林宣
彦(1938〜)は、長岡花火をテーマに映画『この空の花』を創る。大林は何としても映画にした
いと意気込み、憑かれたように情熱を傾けていた。そこには「鎮魂」を貼り絵に託した山下の想
いが重なっている▼東山魁夷(1908〜99)の『道』も何かを語りかけてくる。敗戦後まもなくの
作品である。画面にはどこまでも続く道しかない。単純な構図は観る者の心にせまり、「この道
一筋」の決意を感じさせる。世の中はまだ戦後の復興途上にあった。画家の決意は世の中の
決意でもある。作品は高い評価を得て東京国立近代美術館が収蔵する▼長岡も著名な芸術
家を輩出し、美の裾野は広い。10月には「第56回長岡市美術展覧会(市展)」が開催になる。
今度は何が生まれるか。愛好家は今から構想を練っていることだろう。良い絵はいつも感動を
呼ぶ。訴える何かがある。それが人を捉えて離さない。絵はいつもオモシロイ▼長岡花火も多
くのことを訴える。2日間の輝きに、何かを感じる時が来た。(とけいそう)




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