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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.1042:パネー号事件と斎藤博

5月25日掲載

来年は開府400年。盛大な祝賀をしたいとのムードが高まっている。市では記念事業実行委
員会を組織し、雑誌『ルート400』を発行。長岡の歴史や人物を分かりやすく解説している。絵
図や写真が豊富であって、ビジュアル感に満ち分かりやすい▼その第3号は「パネー号」(昭
和12年12月12日発生)事件をとりあげ興味深い。同事件は、揚子江を航行中のアメリカ砲艦
パネー号を日本海軍機が攻撃し撃沈したもの。同砲艦が護衛していたアメリカ籍のタンカー等
数隻の民間船舶も撃沈した。南京攻略前日の緊迫したなかでの事件であった▼対処次第で
日米は開戦に至る。大事件解決のため、アメリカ国内で奔走したのが当時の駐米大使齋藤
博。それに海軍次官山本五十六である。いずれも長岡人。父祖は長岡藩士である。2人は職
務が異なるものの、同郷の誼と阿吽の呼吸でただちに連携して動いた▼事件は意図的なもの
ではないが、日本側の重大な失策であることは明らかとして、アメリカに対してひたすら陳謝。
齋藤はラジオ放送を買い取って流暢な英語で激怒するアメリカ国民に詫び、死者とその家族
に弔意を示した▼当時の日本は中国と戦っていた。だが日中戦争は解決のめどがたたず、泥
沼化する。紛争の拡大は避けたい日本であったが、米国は自国の権益が侵されたとして世論
が激高する。日本政府・海軍はひたすら陳謝。損害賠償総額220万ドル余りを支払った▼砲
艦外交が華やかな時代に、平和裏に紛争を解決した先人の英知を『ルート400』は語ってい
る。(とけいそう)



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