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2016.7．9掲載

県知事選が近い

森市長へ有志首長が出馬を要請

お盆前にも表明か

10月16日投開票の新潟県知事選に向けて６日、三条、村上、妙高の３市長と聖籠、田上の両
町長５人の首長が森民夫長岡市長に出馬を要請した。森市長は「現職の知事が立候補を表
明している中で、首長の皆さんから出馬要請を受けたことは重く受け止めている。ただ、長岡
市長としての責任もあり、仲間や同志とも話をする必要がある。（出馬については）これから、
じっくりと考えたい」と述べた。

泉田県政に対する問題点から森市長への期待が高まる

　県知事選では現職の泉田裕彦知事が４選を目指し出馬の意向を表明した後、ほかには目だ
った動きはなかった。ただ、泉田県政に対して政財界関係者の間からは、北陸新幹線建設負
担金問題で国や近隣県との関係悪化を来したこと。東日本大震災のがれき受け入れの是非。
日本海横断航路の船購入問題などから、４選への疑問の声があがっていた。

　このため、全国市長会会長、県市長会会長を務め、国とのパイプも厚い森氏に対して出馬を
求める声は以前からあった。経済界でも、６月に有志らによって発足したグループ「明日の新
潟県を考える会」が、森市長の出馬を促す決議をするなどしている。

　また森市長が会長を務める県市長会は、県町村会とともに泉田知事の後援会から知事選へ
の推薦依頼を受けている。このため５月に、これまでの泉田県政を検証し「泉田県政３期12年
間に生じた問題」を提出している。だが回答を巡って泉田知事と両会は対立し、こう着状態に
陥るなどしている。推薦については、町村会は「これ以上、議論しても仕方がない」と、市長会
は「大勢として、する、しないであれば、しない方向でという感じ」とし、両会とも「会として特定の
人を推薦することはできないだろう」としている。

５人の首長が森市長へと出馬要請

６日、アオーレ長岡を訪れ、森市長と対談した国定勇人三条市長、高橋邦芳村上市長、入村
明妙高市長、渡辺広吉聖籠町長、佐藤邦義田上町長の５人が、有志首長として森市長に知
事選への出馬を要請した。

国定三条市長は「泉田知事は３期12年にわたり県政をよく進めてきたと思うが、同時に国、近
隣県、県内市町村、県庁内部との信頼関係を構築できなかったと感じる。一連の文書のやり
取りからも同じ懸念をいだき、本当にこのままでいいのか選挙を通して信を問いたいと思う」と
し、「市町村長との調整役、国との信頼関係を構築してきた実績のある森市長に、何とか立候
補してもらえないかと思い有志代表として来させてもらった」と述べた。

　県町村会会長でもある渡辺町長は「昨年に選挙をしたばかりで、私も全国町村会で副会長
をしている身でもあるので、心境も察している。しかし現状で考えると、森市長のほかに県政で
配慮、思いやりができる人はいない」と、県市長会副会長入村妙高市長は「知事に対しての要
望をまとめた１人として、その後の対応についてはやりきれない思いを持つ。県全体に閉塞感
も感じている。大変な時節ではあるが、曲げてがんばってほしいとの思いを伝えたい」と、それ
ぞれ語った。

　森市長は５人の首長の要請を聞き、「皆さんの話は腹の底から出ていると重く受け止めた」と
しながらも、「市長の任期はまだ３年以上残っており、途中で投げ出すということはありえない。
今まで応援し、ともに長岡の発展のために尽くしてくれた市民に、（出馬するとすれば）どのよう
に説明するのかも課題となる。仮に県政に出るとすれば何ができるのかも、じっくりと考えた
い。少しお時間をいただきたい」と答えた。

森市長

「市民に対する責任もあり、じっくり考えたい」

　知事選の出馬表明に関して森市長は「いつまでにということは言えない。今日もらった５人の
首長の言葉もかみしめ、消化しないといけない。市民に対する責任もあり、簡単に決められる
ことではなく、じっくりと考えたい」とした。

　森市長は、長岡市出身で、大学卒業後に旧建設省官僚を経て、１９９９年の長岡市長選に無
所属で初当選。現在５期目で、２００９年からは全国市長会長を務めている。

　仮に森市長が知事選に出馬した場合は、市長選も行われることになる。昨年の選挙から１
年も経たないうちの市長選となり、後継や対抗なども注目される。震災復興や広域合併、市役
所移転といった実績がある長期政権の後を、誰が担うのかも市民にとっては重要となる。

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