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名誉市民・桜井徳太郎さん
民俗学者として活躍


2010年の市町村合併で長岡市は新生長岡市として新たなスタートを切っている。この時、合
併前の各市町村が有していた姉妹都市を惹きつふぃ、新生長岡市の姉妹都市として交流を重
ねてきた。名誉市町村民も同様に引き継いでいる。
合併前に2人だった長岡市名誉市民は現在12人、ほかに国際親善名誉市民が6人となってい
る。旧川口町の名誉町民だった故桜井徳太郎さん(民俗学者)もその1人で、現在長岡市の名
誉市民である。

2002年に旧川口町の名誉町民に

 桜井さんは1917年に旧川口村に生まれ、44年に東京文理科大学(現在の筑波大学の前身
の1つ)文学部史学科を卒業した。助教授や教授を歴任し、86年に駒澤大学学長(〜91年)に
就任した。歴史や地理を学ぶ中で、民俗学に興味を持ち、日本民俗学の祖といわれる柳田國
男の晩年に、その門下に入った。多くの著作があり、日本民俗学会会長や日本風俗史学会会
長などを歴任している。
 第1回柳田國男賞を1962年に、第12回南方熊楠賞を2002年に受賞し、日本民俗学の重
鎮として活躍。シャーマニズムや民間信仰、他界観を専門とし、近代化論研究、水俣の共同調
査などにも参加している。在住した東京都板橋区に2000年に蔵書約3万5000点を寄贈し、
02年には桜井徳太郎文庫が開設されるとともに地域研究の論文や作文を表彰する桜井賞も
設けられた。旧川口町の名誉町民に02年に推挙され、07年に90歳で亡くなった。

現在の習慣の由来を明らかにする

民俗や宗教を中心とした研究を長年続けて、現在の習慣のルーツを明らかにするなどした。
スポーツで優勝した際に行われる胴上げは、神輿の渡御が終わり社殿へ移した後、御幣を携
えた頭屋を天上へと放り投げる昇神儀礼にもとづいて生まれた慣行などとしている。
 市内の仏壇・仏具販売「鰍ニっと」(長岡市三和1)の桜井カツエ代表は夫の叔父であったこと
から生前親交があったという。「カツエちゃんと言って本当にかわいがってくれました。仕事柄、
お葬式などの宗教儀礼に関わることが多く、その時に出た疑問を聞くと『それはねカツエちゃ
ん』と、素人のくだらない質問にも優しく答えてくれました」と人柄を語る。
 晩年には、「飽食の時代だからこそ満たされないものがあり、世俗とは別の世界に行きつく
のだと思う。21世紀には宗教が最も大事になるのではないか」などと語っていたという。
 
長岡の名誉市民をもっと顕彰したい

桜井代表は「従前から『地域の研究は住民の手で』と言っていた」とし「長岡の名誉市民なのだ
から、このような偉人がいたというのを1人でも多くの市民に知ってもらいたいですね」と話して
いる。




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ガールズケイリン嘉瀬加奈子さん
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