長岡新聞:トップ
社主のプロフイール 
購読の申込みメールでOK。 1か月1851円です。
新刊案内『長岡築城物語』、『いい湯めぐり温泉紀行』:詳しくはこちら
川柳、俳句、短歌に投稿しませんか:詳しくはこちら

悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.950:新潟県立歴史博物館のお菓子展


県立歴史博物館(関原町1)の展示はいつも興味深い。新潟県や長岡市の歴史や風土に密着
した展示には、惹きつけられる。9月4日までは「お菓子と新潟」展である▼お菓子が博物館の
展示になるとは、ユニークではないか。酒やお米、海産物など、新潟県の食文化は豊かであ
る。さらにお菓子も芳醇な魅力を湛えている。その魅力を子ども達30人の「お菓子調査隊」が
マップに示している。これがまた楽しい▼調査隊員は県民から募ったという。新潟の歴史、自
然、産業などに因み命名されたお菓子について、同館調査員と共に実地調査をした。その調
査結果をもとに作成した「お菓子マップ」には、日本三大銘菓とされる『越乃雪』や『大手饅頭』
ほかが登場し、同展に華を添えている▼同マップは考古編や人物編、産業編、祭り・芸能編な
どの分類で展示する。同展の初日には同調査隊で活躍した児童や生徒がくす玉を割った。皆
誇らしげだった。長岡市は「名がお菓子」と読むことができる。同館夏の企画は、何とも楽しくな
る▼お菓子の元は果物や木の実であった。田道間守(たじまもり)が不老長寿の霊果を得て、
お菓子の神様となったことが『日本書紀』に記載されているという。県内では唯一つ、菓祖社
(燕市戸隠神社境内)が田道間守を祀っている。お菓子は食料が十分であるかどうかにかか
わらず、人間が常に希求したものなのだろう▼人はお菓子を神聖な食べ物として神に捧げ、五
穀豊穣や子孫繁栄を願ってきた。もう一つの食文化を味わうのも楽しいではないか。(とけいそ
う)


フリーのライターを募集しています(0258−32−1933:星野へ) 
購読の申込みも同番号へ
トップへ
戻る