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No.938:県立近代美術館で「モネ展」が開催


県立近代美術館で「モネ展」が開催になっている(8月21日まで)。モネ(1840〜1926・フラン
ス)は印象派の画家。庭に池を穿ちスイレンを植え、柳を植えた。日本風な情緒を演出。白内
障を患いながらも、ひたすら自分の庭を描き続けた▼同展のメインはモネが最後まで手放さな
かった作品群で、遺族がマルモッタン・モネ美術館(パリ)に寄贈したものである。モネと言えば
睡蓮を思い浮かべるほどであるが、その連作が会場を飾っていた▼印象派の言葉は、モネの
作品『印象・日の出』(1872)に由来する。今は名品とされるのであるが、当時評価されなかっ
た。未完成にも見えたためであろうか。従来の絵画とあまりにも違ったのだろう。酷評が続い
た。その結果、「印象派」の言葉が定着したという。重要な作品であるが、同展には展示されて
いない▼カタログでは、画面上方に真っ赤な朝日があり、黒いシルエットの小舟が水面に浮か
ぶ。穏やかな絵である。酷評にもめげず、モネは仲間たち(ドガ、シスレー、セザンヌ、ルノワー
ルなど)とともに、独自の展覧会を次々に開催する。今でこそ巨匠になった印象派のメンバー
であるが当時は違った。絵は売れなかった▼当然経済的には苦しかったのだろう。それでも不
撓不屈の精神が彼らの名を絵画史に刻んだ。その印象派のなかで、モネはひとり長生きし
た。長寿のおかげで国を挙げての賞賛を味わう。栄光を実感できたのであるが、同時に晩年
は孤独だったのでないか▼晩年の絵に明るさが無いのが寂しかった。(とけいそう)
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