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No.936:縄文時代の名品、火焔土器


縄文時代の名品、火焔土器は1936年12月、近藤篤三郎(長岡市)が「馬高・三十稲場遺跡」
で発見した。発見場所は79年国指定史跡になり、火焔土器は現在国重要文化財(90年)にな
っている▼この火焔土器が「日本遺産」(文化庁)に決まった。テーマは「『なんだ、コレは!』信
濃川流域の火焔型土器と雪国文化」。申請者は「信濃川火焔街道連携協議会」を形成する5
市町(長岡市、新潟市、三条市、十日町市、津南町)で、指定は県内初である▼「日本遺産」は
観光面を考慮して、ストーリー性を重視する。だから申請に当たっての工夫は重要だった。工
夫の一つは「太陽の塔」で知られる岡本太郎(1911〜96)の言葉「なんだ、これは!」である
▼岡本は東京国立博物館で火焔土器を見る。衝撃を受けたのだろう。先の言葉を叫んだとい
う。そして縄文土器の造形美、四次元的な空間性、さらには社会学的、哲学的な解釈に至る。
その結実が『四次元との対話――縄文土器論』だった▼岡本はソルボンヌ大学(パリ)で民族
学を学んだ研究者でもあった。岡本の論が口火になって、長い間美術品の扱いを受けなかっ
た縄文時代の出土品は、美術品としての評価を受けるようになる▼現在、市は火焔土器をオ
リンピックの聖火台に使いたいと運動を重ねている。実現すれば有力な観光資源になるだろ
う。同遺産に決定したことは、こうした運動を後押しする。すでに大英博物館で展示した。九州
国立博物館では展示中である▼長岡の出土品がグローバルになる日も近い。(ふうちそう)

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