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No.935:県の石にヒスイ


日本地質学会(東京都千代田区)は、全国都道府県の特産品を選択し、「県の石」(都道府県
の石)を選定した。シンボルとしての「県の○○」は花や樹木など種々あるが、石については初
めてである。同学会では国民の関心を高めることで、盗掘などからの被害を避けたいとしてい
る▼新潟県には、県指定のチューリップ(県の花)、ユキツバキ(木)。トキ(鳥)、雪割草(草花)
がある。雪割草のときは、地元の愛好家を中心に運動が熱心に行われた。県の草花に指定を
受けたことで、保護にとどまらず、観光資源としても脚光を浴びてきた。雪割草街道もできた▼
今回の「県の石」は、新潟県の場合は岩石の部に「ヒスイ(翡翠)」(糸魚川市)、化石の部に
「海生動物化石群」(同市)、鉱物の部に「自然金」(佐渡市)である。県民の英知を集めた決定
ではないようで、47都道府県のなかには違和感もあるらしい。それでも3種類の岩石の追加
で、バラエティーに富むことになった。県のシンボルとして役立つだろう▼ヒスイは透明感のあ
る濃い緑色が魅力で、縄文時代から好まれた。勾玉(まがたま)などに加工され災厄から身を
守る宝石だった。金以上に珍重されたことも興味深い。石は人間にとって身近な存在であっ
た。「一石二鳥」「玉石混交」「石の上にも三年」など箴言も多い▼佐渡市の自然金は人為が加
わっていない純金で、昔は金が地表に露出していたことを示す。「金石の交わり」は、固い絆を
指しており、「県の石」選定も県民の一体感醸成に役立つだろう。(ふうちそう)

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