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No.927:熊本城の再建


また地震が起きた。今度は九州(熊本・大分両県)である。中越、中越沖地震の時と同じ苦労
が、現地では起きているのだろう。既に死者は50人に迫るという。全国で救援活動が始まって
いるが、救援物資は届いても、これを被災者に届けるには人手難、交通状態などで困難さも
多い▼長岡市では現地へ職員を派遣した。同時に避難所でのプライバシー保護のため、段ボ
ール製の更衣室兼授乳室4台を届けた。設置場所が確定すればさらに届けるという。混乱は
あるものの、人々は雄々しく立ち向かっている▼だが伝えられる映像は無残な山野を映し出
す。ふるさとが崩壊することは、何よりも辛いことである。日本財団(笹川陽平会長)では93億
円規模の救援を行うという。遺族などへの見舞金のほか、熊本城の再建に30億円を拠出す
る。「被災者に希望をもってもらえるよう」と話している▼熊本城は日本3名城の一つ。加藤清
正が築城した。天守は1960年代の再建であるが、櫓(やぐら)11棟、櫓門1棟、長塀が重要
文化財である。熊本県民の心のふるさとで、石垣はひときわ美しい▼西南戦争(1877)では、
薩摩軍の攻撃を受け52日間の籠城戦を戦い抜いた。西郷はこの攻城戦で勝つことができず、
「ワシは清正公に負けた」と嘆いたと伝わる。歴史ある熊本城は熊本県民の誇りでもある▼自
然災害は恐ろしく、失うものは大きい。なかでもふるさとのシンボルを失えばさらに大きな喪失
感に繋がる。何としても再建するとの意思は、復興への力を強めるに違いない。(ふうちそう)


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