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No.915:日本の三大桜


空気が柔らかくなり、少し暖かくなった。陽気に誘われてか、静岡県河津町のカワヅザクラ(河
津桜)がすでに満開と言う。例年よりも今年は早い開花である。いよいよ桜便りが聞こえる▼カ
ワヅザクラはオオシマザクラとカンヒザクラの自然交雑種である。約60年前に地元住民が1本
の幼木を発見した。この1本から育てあげたという。挿し木で増やしたのか、種から増やしたの
か▼桜を慈しむ人を「桜守」(さくらもり)という。河津町の「桜守」は、地道な忍耐のいる作業を
繰り返したのだろう。今では約8000本が咲き誇る。駅から公園にかけての桜並木を人波が
埋める▼桜は日本人の郷愁を誘う。「さまざまのこと思い出す桜かな」と芭蕉もうたっている。
だが、どうも外来植物のようである。その起源は諸説あって定かではないが、どうやらヒマラヤ
を起源にし、100万年かけてブータン、ミャンマー、中国雲南省、韓国を経て日本に来たらし
い。桜の実を食べた小鳥たちが、糞と共に種を落とした。壮大な旅である。100万年かけた長
い繰り返しで日本に来たと思えば、たおやかな桜も、雄々しくみえる▼日本の三大桜と言えば
「淡墨桜」(岐阜県本巣郡根尾村)、「山高神代桜」(山梨県北杜市武川町山高)、「三春滝桜」
(福島県田村郡三春町大字滝桜久)である。いずれも国の指定天然記念物で、寿命も1000
年を超える。なかでも「山高神代桜」は1800年と言う▼長岡はまだ白の世界であるが、春の
足音が聞こえている。今年も桜を楽しみたいものである。(とけいそう)

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