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中村印刷所(東京都北区)は、下町の小さな町の印刷会社である。いずれ廃業したいとして新
規開拓はしていない。そのような会社が脚光を浴びている▼孫娘がツイッターでつぶやいたの である。「おじいちゃんが造る方眼ノートは水平に開きます」「コピーやスキャンしても真ん中に 黒い部分は出ません」と。利点をPRした。反響がすごかった。「以前から欲しかった」との声 や、「どこで購入できますか」との照会がつづき、3000冊の在庫がまたたくまに売れた▼同社 では製造方法の特許も取っていた。なにしろ開けば1枚の方眼紙になる。画期的なことであ る。東京都の「トライアル発注認定制度」にも選ばれた。だが勇んで作った最初の3000冊が 売れなかった。在庫の山ができて、困惑が広がっていたのであるが、孫娘のおかげで一気に 販路が広がった、大手の通販サイトなどでは品薄であるという▼この製本方法はハードカバー の書物にも通じるのではないか。一般的に書物は、手で押さえていなければ閉じてしまう。もし くはページが変わってしまう。だから読書中は手でページを押さえ続けなければならない。これ は実は不便なことである。文鎮で押さえても、最近の書物は作りが立派である。このため小さ な文鎮では抑えきれない。筆写したいときなどは、不便である▼書物を水平に開く製本はコス トがかかるようである。だがそうした難題も消費者に利点を示し、ニーズを喚起できれば、解決 していく。新しいビジネス展開にネットの威力は限りなく広がっている。(とけいそう)
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