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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.906:身体検査

野菜サラダや野菜ジュースが健康的であるとして人気である。野菜を生のまま食べるのは確
かに爽快である。きっと体に良いのだろう▼しかし、昔の日本では田畑の肥料に人糞を使っ
た。人間の排泄物をほぼ100%回収し、田畑に撒いたのである。当然寄生虫にり患する大人
や子どもは多かった。野菜を生で食べることは怖いことだった▼学校で子ども達に対して毎年
行う「ぎょう虫検査」は、そのような時代背景の中で導入になった(昭和33年)。この時は約3割
が寄生虫卵を保有していたという。だが時代は変わった。衛生思想が普及し、下水道が完備し
た昨今では、1%にも満たないという。日本人は体内に寄生虫をもっていないのである▼こうし
たことから本年4月1日以降、「ぎょう虫検査」が原則学校から消える。さらに「座高測定」も消
える。以前から何のための測定かとの指摘があった。座高を低く見せるために猫背になった
り、測定に時間がかかったり、学校関係者の間では批判があったという。さらにこのルーツは
徴兵検査にあった。たくましい兵士のために、帝国日本は測定を続けていたと聞けば、なくす
るのが妥当かもしれない▼だが昨今は子ども達に異変が起きている。まっすぐ立っておれな
い、和式トイレなどにしゃがめないなど、という。運動不足が原因で筋肉・関節・骨などの発達
に問題がある子どもが増えてきた。このため「四肢の状態」を追加し、きめ細かい健康管理を
するという▼学校での気配りが子ども達の健康を維持し、長寿社会に繋がっている。(とけいそ
う)

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