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悠久録(過去の悠久録はこちら)
冬と言うのに、空からクルミが落ちてきた。ボンネットに当たり激しい音がした。その瞬間カラ
スが飛び去った。どうやら落下させるタイミングを間違えたようだ▼最近のカラスは利口であ る。クルミの実をくわえてきて、車が通りそうな場所に落としていく。轍の跡を見分けるらしい。 クルミは小さいから障害物には見えない。ほとんどの場合、踏み潰して走ることになる。固いは ずのクルミの殻も壊れる。その中身をカラスは悠然と食べている▼カラスのこの行動はずいぶ ん以前に仙台地方で発見された。当初は信じられないとの反応であったが、カラスの知恵はど んどん仲間内に広がったようだ。長岡での行動もずいぶん以前から目につくようになっている。 遠隔地へどのようにして知恵が伝播するのか。不思議なことである▼『カラスなぜ遊ぶ』(杉田 昭栄著・集英社新書)、『カラスはどれほど賢いか〈都市鳥の適応戦略〉』(唐沢孝一著・中公新 書)など、カラスの智慧を取り上げた書物まで出回っている。それらによれば、クルミ割りはも ちろんであるが、公園のスベリ台で滑ったりして、カラスは「遊ぶ」のだという▼以前見た光景 はイヌを相手に遊んでいた。樹下で吠えているイヌに、カラスは木の枝を折っては落としてい た。犬は枝に当たりながらも吠えている。その様子を見詰めながら、さらに枝を落とす。カラス は樹上の安全地帯で楽しげだった▼クルミをどうすれば割ることができるか。生きるための工 夫がカラスを知恵達者にしている。人間達も負けてはおれない。(とけいそう)
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