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No.904:カラスはなぜ賢い

 冬と言うのに、空からクルミが落ちてきた。ボンネットに当たり激しい音がした。その瞬間カラ
スが飛び去った。どうやら落下させるタイミングを間違えたようだ▼最近のカラスは利口であ
る。クルミの実をくわえてきて、車が通りそうな場所に落としていく。轍の跡を見分けるらしい。
クルミは小さいから障害物には見えない。ほとんどの場合、踏み潰して走ることになる。固いは
ずのクルミの殻も壊れる。その中身をカラスは悠然と食べている▼カラスのこの行動はずいぶ
ん以前に仙台地方で発見された。当初は信じられないとの反応であったが、カラスの知恵はど
んどん仲間内に広がったようだ。長岡での行動もずいぶん以前から目につくようになっている。
遠隔地へどのようにして知恵が伝播するのか。不思議なことである▼『カラスなぜ遊ぶ』(杉田
昭栄著・集英社新書)、『カラスはどれほど賢いか〈都市鳥の適応戦略〉』(唐沢孝一著・中公新
書)など、カラスの智慧を取り上げた書物まで出回っている。それらによれば、クルミ割りはも
ちろんであるが、公園のスベリ台で滑ったりして、カラスは「遊ぶ」のだという▼以前見た光景
はイヌを相手に遊んでいた。樹下で吠えているイヌに、カラスは木の枝を折っては落としてい
た。犬は枝に当たりながらも吠えている。その様子を見詰めながら、さらに枝を落とす。カラス
は樹上の安全地帯で楽しげだった▼クルミをどうすれば割ることができるか。生きるための工
夫がカラスを知恵達者にしている。人間達も負けてはおれない。(とけいそう)


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