購読の申込みメールでOK。 1か月1851円です。
新刊案内『長岡築城物語』、『いい湯めぐり温泉紀行』:詳しくはこちら
川柳、俳句、短歌に投稿しませんか:詳しくはこちら
悠久録(過去の悠久録はこちら)
(12月5日分)
寒くなると鍋物が嬉しい。今の時季、メインの食材にはカニ、カキ、アンコウなど日本海の幸
が魅力である。準備に手間がかかるとはいえ、湯気が立ち昇る鍋を囲めば、冬の寒さもしばし 忘れる▼その一方で手軽に楽しむことができる大判焼(今川焼)や鯛焼きも人気である。大判 焼は円形の型に生地と餡をいれて焼く。ルーツは江戸時代中期に遡る。江戸(神田町内)の今 川橋のたもとで、某商人が焼き菓子を発売した。これが人気になって今川焼となった▼戦国大 名の今川家の家紋が丸であったから、との説もある。今川家は桶狭間で織田信長に討たれ滅 亡した。そのため「たちまち焼ける今川焼」の宣伝文句が評判になった。後年、形から大判焼 きとも呼ばれ、名称も多様化する▼鯛焼きは明治時代に開発。外観が高級魚鯛である。子門 真人の「およげたいやきくん」はレコード売り上げが日本最多である(2014年8月現在・累 計)。ヒットしたとき鯛の塩焼きが何故泳ぐのか、と悩んだご婦人がいた。だが魚ではない。焼 き菓子であって餡がしっぽまで入っているかどうか、気になるところがミソである▼どちらが良 いかは、諸説ある。俳人野村登四郎は「鯛焼きのまづ尾の餡をたしかめし」と詠んでいる。大 人もしっぽの餡を確かめる。それがほほえましい。手軽に食することができる大判焼きも鯛焼 きも、体も心も温めてくれる。長岡では「石黒大判屋」(与板)が大きく餡もおおくて評判である ▼庭仕事の手を休め、しばし焼き立てをほおばる。冬支度の庭が陽だまりにある。(とけいそ う)
記者を募集しています(0258−32−1933:星野へ)
購読の申込みも同番号へ
|