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No.893:横山操と富岡惣一郎
(11月28日分)

 すぐに雪が来る。長岡の山野が雪で埋まる。すでに北海道では降雪を観た▼日本画家横山
操(1920〜73)の雪景色は、強烈である。白の中に黒々とした山肌やハサ木の列が登場す
る。燕市(旧吉田町)に生まれた横山は、越後の田園が雪に埋まり、吹雪にさらされることに畏
怖を感じたのであろうか。黒と白の対比はすさまじい迫力で迫り、まるで怒っているかのようだ
▼同じ雪景色でも洋画家富岡惣一郎(1922〜94)の雪は何やら優しい。その白はトミオカホ
ワイトとして親しまれてきた。厳しい雪を描きながら、温かみを感じさせる。富岡は横山と同時
期に上越市(旧高田市)で生まれた。戦争体験は少なく職業には恵まれた。師にも恵まれたよ
うだ▼晩年は長岡花火に感動。雪景色を描く手法で花火を描けないものかと模索した画家
は、毎年長岡に通った。そしてついに思いつき、キャンバスを回転させながら花火の流れを描
いた。今に遺る花火シリーズも暖かい▼雪国が生んだ2人の画家は、2種類の「雪」を遺した。
横山にはシベリア抑留という過酷な戦争体験がある。その過酷さを耐えた気迫が、画業に現
れたのだろうか。それぞれの「雪」は今も何かを語りかけてくる▼各地で雪囲いが進んでいる。
庭木の保護に残された時間は少なくなったが、これも雪国の歳時記である。だが過日は消雪
パイプの点検中に事故があった(1人死亡)。雪に負けるなと「耐雪」「克雪」「利雪」を叫ぶのが
昨今であるが、互いの注意も欠かせない▼事故の無い冬にしたいものである。(とけいそう)


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