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No.885:「ピサの斜塔」をまねたのか

(10月20日分)

「ピサの斜塔」は高さ約55メートル。8階建て大理石造りの頑丈な建造物である。1173年に着
工し1372年の第3期工事で完成した。だが工事中から地盤沈下があって、最大5・5度まで
傾いた▼倒壊の危険が生じたが、その後1990年から2001年の応急工事で約4度まで戻し
た。本当は真っ直ぐにしたかったらしい。だが、それではウリが無くなる。その結果が約4度の
傾きであった。専門家はこの程度であれば300年は大丈夫という▼工事中に傾いた建物をそ
のまま完成させたところがイタリアらしい。その傾きを維持してウリにし、観光資源にするのが
すごい。今では世界遺産になった。しかし、外観の傾斜はかなりあり、塔に登った人は怖かっ
たという▼三井不動産グループが手掛けた大型マンション(横浜市)でも傾斜が発覚した。こち
らは基礎工事が手抜きで、建物を支える杭の一部が固い地盤まで届いていなかった。別の施
工データを転用したり、書き換えたりしてごまかしていたという▼同じようなごまかしをフォルク
スワーゲンがした。排ガス規制の検査時にだけ合格するようにソフトを組んでいた。リコールに
発展している。東洋ゴム工業は防振ゴムでごまかした。古くは、姉歯秀次1級建築士のごまか
しがあった。このような不正は不安を増長し、資産価値を棄損する。購入者にとっては大問題
だろう▼改修などの費用を全額負担するとなれば、かなりの支出になる。株価が暴落する。経
営は大丈夫なのか。誠実な経営こそが企業を守ることにつながる。(とけいそう)



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