長岡新聞:トップ
社主のプロフイール 
購読の申込みメールでOK。 1か月1851円です。
新刊案内『長岡築城物語』、『いい湯めぐり温泉紀行』:詳しくはこちら
川柳、俳句、短歌に投稿しませんか:詳しくはこちら

悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.873:『酒は涙か溜息か』


悠久録
No.873

(8月29日分)

『酒は涙か溜息か』(作詞=高橋掬太郎、作曲=古賀政男)は藤山一郎の美声で大ヒットし
た。昭和6年のことである。藤山はまだ音楽大学の学生であった。後年、島倉千代子が『逢い
たいよ』としてうたって再びヒットした▼「酒は涙か溜息か」のフレーズはいつの時代も人の心に
迫るのか。繰り返しのフレーズはそれぞれ、「心のうさの捨てどころ」「かなしい恋の捨てどこ
ろ」と続く。心の奥のしこりをほぐし、もう一度活力を呼び込んでくれる。だから酒は「百薬の長」
である▼その酒は本県自慢の逸品。名高い酒造米「五百万石」を各蔵元では多く使用してき
た。もう一つの酒造米「山田錦」も名高い。新潟の酒は酒造に適したこれらを多く使っている。
だからこの両者を交配させれば、さらに優秀な酒造米ができるのでないか。県農業試験場が
実験を重ねた。そして世に出した新品種が「越淡麗」である。平成18年から蔵元と農家の完全
契約栽培が始まっている▼「越淡麗」は、「五百万石」の端麗さを十分に活かして、米の中心部
まで精米でき、精米特性が高いという。適度な吸水性から蒸米がべたつかず作業効率が高い
ともいう。県内ではすでに原料に使った酒が出ている。商業ベースに乗るまで県が10年以上の
歳月をかけ、酒はさらに美味しくなった。酒蔵元の数は日本一。県民一人あたりの消費量も日
本一の「越後の地酒」は、聞いただけで喉が鳴る▼いよいよ9月になる。爽やかな秋の風を感
じながら、酒をたしなむ季節になった。心静かに「カンパイ」といきたい。(とけいそう


 記者を募集しています(0258−32−1933:星野へ) 
購読の申込みも同番号へ
トップへ
戻る