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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.840:森林は海を清める

(3月17日分)

春の声が間近になっている3月上旬、林間を散歩するイベントがあった。あちこちに野ウサギ
が駆け回った足あとが残る。見事に育ったスギ林は新鮮なロケーションである。林間は雪が周
囲の音を吸収して静かである。まだ頼りない日差しであるが、柔らかな陽が雪に映えまぶしい
▼山林の見事さは自然の豊かさを示す。地盤を固め、樹幹に保水し、適度な時間を経て川に
流す。川の清らかさは、森林の力に負うところが大きい。流れゆく水は山林のエキスを運んで
下流を清め、ついには海を清めるという。海のプラクトンは川から供給される養分で育ち、豊
かな漁獲を生む。日本海の幸もその源は山林にある▼わが国の山林は戦後営々として植林
を続けた結果、ほとんどの山林は35年以上の人工林に育っている。建築ほかあらゆる用途に
適した杉が豊かに生育し、今では世界でもトップクラスの森林国になった。国内消費を十分に
賄えるほどともいう。21世紀は国産材の時代であるとも聞く。だが外材の輸入は増加し、消費
量の7割強が輸入材木である。おかげで木材単価は昭和55年の1石2万2000円をピークに
2800円まで下がった▼それでも長岡の某森林組合は、日本の大切な資源であるとして森林
の維持管理に励んでいる。森林は自然保護の要であり海の幸を豊かにする要でもある。同組
合は、組合員7800名。森林面積は5万fある。1fは約1町歩(3000坪)であるから、強力
な森林組合である▼豊かな自然の維持に、限りない叡智が惜しみなく汗を流している。(とけい
そう)
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