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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.828:「単位」を売る大学生協
「悠久録」
No.828
(1月27日分)

都内大学に出店する生活協同組合(生協)で「単位パン」が売れている。普通のパンに「単位」
の文字を大きく焼き付けただけであるが、売り切れ続出となった。ついに増産に踏み切る▼い
かにして消費者の声をくみ上げるか。どこも苦労している。レストラン、ホテル、スーパー、病院
までも感想や意見を求めてメモ用紙を置く。消費者の声をビジネスに活かしたいのである▼生
協も同じ試みをしていた。「15aの定規を売って欲しい」「ジャガイモは安いですか」などの感想
や意見があるなかで、意外に多いのが「単位を売ってください」との声だった▼単位は大学卒
業に必要なもの。そのためには授業に出席し、勉強を重ねて試験に合格しなければならない。
単位不足では卒業出来ない。そうなれば折角の内定もダメになる。留年をしたくなければ単位
が必要であるが、勉強よりも生協で買うことができればこのうえない▼だが、そのようなモノを
学内で売れるはずもない。学生たちも分かっている。「買えるといいなぁ」という半分冗談の願
望だったことだろう▼そこにベストセラー『生協のしらいしさん』の著者白石昌則さんが、「なら
ば売りましょう」と発言。冒頭のパンが誕生した。パンに「単位」の文字を焼きつけるこては、学
問の神様として名高い湯島天神(東京都文京区)でお祓いを受けた。一つ一つ心を込めて焼き
付ける。価格は煩悩の数に合わせて108円にこだわった▼冗談半分の意見が柔軟な発想に
結びついて、生産倍増になる。商機はどこにあるかわからない。(とけいそう)
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