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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.818:ハーモニカで慰問
(12月9日分)

東京都在住の先輩からお便りをいただいた。便箋4枚にびっしりと書かれた内容は、人生の先
達の気概があふれていて思わず頭が下がった▼現役を退いてから今日までの24年間。敬老
会の仕事を会計から始まって理事長、副会長、会長としてつとめあげたと手紙にはある。さら
に老人クラブ連合会の副会長を15年間も担ったという。長い間敬老会の仕事をつとめてきたこ
とは、多くの方々の信頼を集めてきた証左だろう▼役職を退くに当たり区の社会福祉協議会
から特別表彰を受けたという。そのことがこのうえない喜びで、名誉のことと記している。24年
間の社会貢献の日々であった。特別表彰で壇上に登ることで労苦が報われた思いなのだろ
う。行間に喜びがあふれている▼氏は自営業者だった。趣味はハーモニカ。区内の老人ホー
ムなど数か所を毎週定期的に慰問しハーモニカを演奏している。昔の小学校唱歌は100曲を
超えるが、全部吹くことができる。太平洋戦争当時の軍歌も吹く。もちろんすべて暗譜である▼
若かったころ、出征兵士を見送る「兵隊さん見送り」を思い出しながら吹くという。ホームの入
所者は皆泣き出し、最後は涙の嗚咽になる。それぞれがあの時代の哀しみを思い出すのか。
青春の思い出が同時に哀しみでもある世代が、氏のハーモニカを毎週待っている▼昨日は真
珠湾攻撃の日だった。あれから大勢の同胞が死んだ。開戦を偲んで、信濃川河川敷で慰霊の
花火「白菊」があがった。水道公園では蝋燭が灯った。それぞれの思いを込めて光が流れた。
(とけいそう)


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