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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.811:遊び心のマーケティング


今日は11月11日。1が4個も並んでいる。以前の知人に大正11年11月11日生まれの方がい
た。誕生日の会話はいつも盛り上がった。数字遊びにしか過ぎないが、愉快である▼昭和から
平成に変わる頃に、郵便局が華々しく遊び心を発揮した。たとえば昭和55年5月5日に手紙を
差し出す。当然その日の消印が押されるのであるが、よく見れば5が並ぶ。これを喧伝したの
である。消印には確定日付の効果があって、過去に遡ることも、未来の日付も、押印すること
はできない。だから5が4個も並ぶ日は1日しかない▼郵便局の遊び心は意外にも共感を呼ん
だ。しかも郵便物は増加しなかった。窓口で切手を購入して封筒に貼る。そしてその場で消印
を押してもらって持ち帰るのである。切手は売れても、配達は無い。これは素晴らしいビジネス
である▼なかには55円切手と5円切手2枚を封筒に張って、消印を押してもらうマニアも続出し
た。同じことが平成に入るとさらに盛り上がった。並びの日付や同じ数字の日付が続々と登場
したのである。だがそれも平成13年に入ると終わる▼ところがまだあった。今度は江崎グリコ
である。11月11日を「ポッキー&プリッツの日」と定めたという。日本記念日協会(加瀬清志代
表)の認定を受けたと誇らしげである。ポッキーとプリッツは、スティック状お菓子の代表格で、
その形がナント数字の1に似ている▼売り上げはさらに好調と聞く。四角四面の強面も悪くは
ないが、遊び心のマーケティングはさらに愉快である。(とけいそう)
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