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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.788:模擬原爆

(7月29日分)

8月が巡ってくるとヒロシマ、ナガサキの惨状に重なって、長岡空襲(8月1日)を思いだす。長
岡まつりはその慰霊であり、柿川の灯篭流しも大花火大会も亡き人への鎮魂である▼だが、
もう一つの空襲も忘れられない。7月20日午前8時頃、左近への爆弾投下である。このとき4
人が亡くなった。この日米軍は合計8ヶ所に「模擬原子爆弾」を投下した。その一つが左近だっ
た。当初は模擬原爆ということは分からなかったのであるが、後年、いずれ本県に原爆を投下
するための事前準備であったことが判明した▼平成15年5月、第1回戦災資料館企画運営検
討委員会の席上、この左近の被爆を「長岡空襲」に含めるべきとの提案があり、決議される。
そして被災60周年の平成17年3月、「模擬原子爆弾投下地点跡地の碑」を建設したいと同運
営委員会が決めた。碑設立委員には内山弘氏(代表)、今井雄介氏(左近町代表)、古田島吉
輝氏(同館館長・当時)、田所仁氏、諸橋昭氏が就任する▼募金は352名から198万2000
円が集まったという。こうして慰霊の碑が建つ。爆弾投下地点は、新堤防の下になっているの
で堤防の上に建立した。除幕式には遺族の横山藤四郎氏、横山幹雄氏も列席。祈りを新たに
した▼長岡の慰霊碑は「戦災殉難者の墓」(昌福寺)、「戦災殉難者慰霊塔」(平潟公園)、平
和像(平和の森公園)、「柿川戦災殉難地」(柳原公園)。それにこの碑が加わる▼長岡は「模
擬」とはいえ原子爆弾の投下に見舞われている。戦争の惨禍は果てしない。(とけいそう)


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