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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.1098:「広辞苑」

某氏がいただきものの菓子折りを持って知人宅へ挨拶に行った。そのさい、ついつい「これは
たらい回しですが・・・」と口上したという。さすがに相手は怪訝そうな顔をした。訝(いぶか)しん
だ某氏は帰宅後、辞書で調べたという。そこには「一つの物事を処理せずに、次々と送りまわ
すこと」とあった▼これでは謙遜の意味には遠い。受け取る側も困惑したはずである。言葉は
時代の流れの中で変化するから、ある程度はやむを得ないこともある。だが古い慣用語で間
違えると、いささか困る。恩師に向かって「枯れ木も山の賑わいと申します。ぜひとも・・・」とお
願い事をすれば、やはりまずかろう▼だから言葉の表現を確認するのに、辞書の役割は大き
い。そうすれば大きな間違いはしないで済むが、時折、悔やむこともある。最近では都民ファー
ストの小池百合子東京都知事であろうか。民進党との合流問題で「排除」の言葉を使って失速
した。「排除」自体は悪い言葉ではない。「いじめを排除する」「差別を排除する」などの使い方
がまずいはずはない▼だが今回は狭隘な姿勢を示唆し、新党の失速までもたらしている。誠
に言葉が持つ力は恐ろしい。冒頭の某氏は物理学者でアメリカ生活が長かった。あわてて使
った辞書は『広辞苑』だった。最近では電子式辞書もあり、ネットには様々な言葉の意味が載
っているが、それでも辞書の力は大きい▼その『広辞苑』第7版が10年ぶりに、1万項目を追
加して販売になった。売れ行きは好評と聞く。辞書の役割は健在である。(とけいそう)


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