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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.1082:蔦都坊(つたいちぼう)
11月9日掲載

江戸時代に存命した盲目の僧侶蔦都坊(つたいちぼう)は荒蕪地を開墾し、美田を作り上げ
た。その偉業は与板地域の蔦都にとどまらず、下越地方の西蒲区(旧三根山藩)の油島、新
谷、栄地域にも広がっている。戊辰戦争後長岡藩に届いた米百俵も、蔦都坊の新田開発によ
った米であるという▼亡くなってから今年が350年目であることから10月15日、ゆかりの人々
が終焉の地蔦都で手厚い法要を営んだ。同地は与板地域の南に広がる田園地帯で現在36
戸。江戸時代の入植時は40戸だったというから、先祖代々この地を大切に守り続けてきたの
は確かだろう▼集落に沿った道路を挟んだ反対側、日当たりの良い場所に共同墓地があり、
そこに蔦都坊の墓がある。約10年の歳月をかけて開発した美田を眺める終焉の地である。地
域では毎年の命日に幟を林立させ、350年間綿々と祭祀を続けてきた。昨年は立派な石碑を
立てた▼蔦都坊の生まれは富山県黒部市の専念寺。菩提寺となった市内福道の光傳寺は蔦
都坊の父了圓が興した。両寺からの僧侶4人が読経し、遺徳を讃えて祭文を読みあげた。蔦
都坊への敬愛の心は強く、西蒲区の自治会長も参列。法要は250年祭、300年祭、350年
祭と続いている。これからも長く続いていくことだろう▼墓所からは、はるか遠くまで見事な美田
が広がる。それを常に見つめながら蔦都の人々は、孫子の代まで感謝の念を抱き続けてき
た。全国でもトップクラスになる本県の米作は、蔦都坊のような献身的な先人の偉業に負って
いる。(とけいそう)



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