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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.1071:上杉謙信と武田信玄
(9月26日分)

新潟県立歴史博物館で上杉謙信と武田信玄の「川中島の戦い」展を観た。往時の遺品や屏
風絵、浮世絵が合戦の様子を示し興味が尽きない。北信濃の支配を巡る両雄の対決は10年
を超えたという。その激突を頼山陽は「鞭声粛々夜河を渡る」と歌った▼栃尾では過日、「謙信
公祭」が行われた。あいにくの雨で武者行列は中止になったが、火縄銃の実射があった。都か
ら遠い越後であるが、謙信は早くから鉄砲隊を組織していたという。最新の軍備を整えてい
た。響き渡る轟音には「謙信公旗揚げの地」、栃尾衆の心意気が籠っている▼上杉家は子の
景勝が豊臣政権の5大老の一人になって石田三成と連携。徳川家康包囲網の一翼を担った。
新たな雄図に燃えたのであるが、そのために会津に移る。越後を統一し佐渡金山を手にし、
戦国の雄藩に成長した上杉家は更なる冒険を画策した▼だが関ヶ原の結果は運命を暗転さ
せる。今度は米沢への国替。左遷であった。景勝は残念だっただろう。家老の直江兼続はさら
に悔しかっただろう。それでも良く耐えた。外様大名として徳川政権での冷遇に耐え、明治まで
の命脈を保ったのはさすがである▼頼山陽の先の漢詩は「遺恨なり十年一剣を磨き、流星光
底(こうてい)、長蛇を逸す」と続く。長蛇は信玄のことではあるが、政権中枢を去ることになっ
た悔しさを謳ったかにも見える。総選挙が行われる。「十年一剣を磨いて」栄光を掴むのか、そ
れとも「長蛇を逸す」のか▼火縄銃の轟音は大きかったが、挙がる煙は白く、直ぐに消えてい
った。(とけいそう)
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