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(5月11日分)
日本は昔、「欲しがりません勝つまでは」と叫んでいた時代がある。この標語は、10歳の少女
(国民学校5年生)が作った。昭和17年11月、当時人気の月間雑誌『主婦之友』が「大東亜戦 争一周年」を記念して標語の募集をした。あの時代、大きな反響を呼び、4日間で32万の応募 があったという。冒頭の標語は選ばれた10件の中の一つである▼当時は真珠湾攻撃から1 年。日本中が勝利の熱気に浮かれていた時期である。作者が女の子であることも喧伝され全 国に広まった(戦後、実は父親が作り娘の名前で投稿したことが判明している)。国民の士気 を高めるには格好の標語だったのだろう。戦時下の国民は朝な夕なにこの標語を聞かされて いく▼さらに「撃(う)ちてし止まむ」「贅沢は敵だ」との標語が迫った。「わが家に国債なきは恥」 「国債の消化に示せ底力」とされ、1円でも多くの金が国庫に吸い上げになった。まさに「胸に 愛国、手に国債」だった。類似の標語がまち中に溢れたのであるが、その国債は戦後のインフ レで無価値になった。国民は困窮を耐え忍んだが、多くの命と財産を失ったのである▼ゴール デンウイークのさなか、安倍晋三首相は、憲法を改正して2020年の施行を目指すと表明し た。自衛隊を明文化したい考えである。現状では自由民主党総裁の立場としての表明である が、長年の懸案事項を明確な形で示したことに波紋が広がっている▼政治が自制を失う時、 国家は坂道を転がることを知った70年である。その重要さは今も変わらない。(とけいそう)
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