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No.1013:古代の遺物を盗む
(1月31日分)
韓国の窃盗団が2012年、観音寺(対馬)から観音像を盗んだ。この返還を求める裁判で、韓
国裁判所は、数百年前に日本が韓国から持ち帰ったものであるから、日本へ返還しないでよ
いと判決した。数百年前のことはいまさら判然としないが、5年前に盗まれたのは事実である。
判決は理不尽にすぎないか。異論が噴出している▼エジプトとイギリスの間でも同じようなこと
がある。ナポレオンがイギリス支配下のエジプトに侵攻すると、ナイル川河口で石板を発見し
た(1799年)。ナポレオン軍が降伏すると、イギリスはこれを戦利品として持ち帰る。今では大
英博物館の正面に展示され、一番の人気であるという。だが本来エジプトの遺物である▼石板
は発見地の名前をとって「ロゼッタストーン」とよばれている。重さ760`cの石板には、古代
エジプト語の神聖文字と民衆文字、さらにギリシア文字の3種類で同一内容が刻まれていた。
おかげでエジプト文字の解明は、この石板の発見に負うところが大きい▼エジプトは自国文明
の象徴でもある石板をぜひとも国内に置きたいとして2003年、返還を要求する。だがイギリ
スから拒絶をうけ、いまだに解決していない。第一発見者のフランスも同じ思いだろう▼歴史の
遺物は代替え品が無いだけに解決は難しい。前述のとおり観音像が盗まれたのは事実であ
る。犯人は実刑に服している。盗みを正当化することもおかしい。所有権を巡る争いは、いつ
の時代でも絶えることはないのか▼これでは観音様も安住の地が定まらない。(とけいそう)
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